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特別な場合の演習問題

この定理を理解するために6点を二つずつ接近させて重ねた場合を,高校範囲で解こう.

最初の問題はすでに計算を済ませているが,学校での演習用にここで再掲する.

演習 3       解答3

$\mathrm{X}=(x,\ y)$ に対し $x,\ y$ の二変数の多項式を $f(\mathrm{X})$ のように表す.

\begin{displaymath}
f(\mathrm{X})=ax^2+2hxy+by^2+2lx+2my+c
\end{displaymath}

を実数係数の二次式とする. $f(\mathrm{X})=0$ で二次曲線 $C$ が定まっているとする.
  1. $C$ 上の点 $\mathrm{X_0}=(x_0,\ y_0)$ での $C$ の接線の方程式のうち, $x$ の係数が $ax_0+hy_0+l$ となるものを

    \begin{displaymath}
L(\mathrm{X},\ \mathrm{X}_0)=0
\end{displaymath}

    とする. $L(\mathrm{X},\ \mathrm{X}_0)$ を求め

    \begin{displaymath}
L(\mathrm{X},\ \mathrm{X}_0)=L(\mathrm{X}_0,\ \mathrm{X})
\end{displaymath}

    を示せ.
  2. 曲線の外の点P $(p,\ q)$ から曲線に2本の接線が引けるとする.このとき, 2接点を結ぶ直線 $l$ は,

    \begin{displaymath}l:L(X,P)=0 \end{displaymath}

    と書けることを示せ.
  3. $l$ 上の点Qからも曲線に2本の接線が引けるとする.このとき, 2接点を結ぶ直線 $m$ はPを通ることを示せ.

演習 4       解答4

前問を前提に次の問いに答えよ.

  1. 一般に平行でない2つの直線 $F(\mathrm{X})=0$ $G(\mathrm{X})=0$ に対し, この2直線の交点とこれらの直線上にない他の点 $\mathrm{X_0}$ を通る直線は

    \begin{displaymath}
G(\mathrm{X}_0)F(\mathrm{X})-F(\mathrm{X}_0)G(\mathrm{X})=0
\end{displaymath}

    と表されることを示せ.
  2. $\mathrm{A}$, $\mathrm{B}$, $\mathrm{C}$ $f(\mathrm{X})=0$ の上の3点とする. 点 $\mathrm{A}$, $\mathrm{B}$, $\mathrm{C}$ での $f(\mathrm{X})=0$ の接線を $L_\mathrm{A}$, $L_\mathrm{B}$, $L_\mathrm{C}$ とし,それらが互いに交点をもつとき, $L_\mathrm{A}$$L_\mathrm{B}$ の交点を $\mathrm{P_{AB}}$$L_\mathrm{B}$ $L_\mathrm{C}$ の交点を $\mathrm{P_{BC}}$$L_\mathrm{C}$$L_\mathrm{A}$ の交点を $\mathrm{P_{CA}}$ とする.

    3直線 $\mathrm{P_{AB}C}$ $\mathrm{P_{BC}A}$ $\mathrm{P_{CA}B}$ が互いに交わるならば, これらは1点で交わることを示せ.

  3. さらに,$L_\mathrm{A}$ と直線 $\mathrm{BC}$$L_\mathrm{B}$ と 直線 $\mathrm{CA}$$L_\mathrm{C}$ と直線 $\mathrm{AB}$ がそれぞれ交わるならば, これらの3点は一直線上にあることを示せ.

 高校範囲で問題を設定した.そうすると,接線が平行で交点がない場合は,どのようになるのか,が問題になる.
 これは,射影平面において考えればよい.その場合をふくめて統一的に証明される.確認してほしい.
 また, 『 幾何学の精神 』のなかの 「 パスカルの定理 」 を参照してほしい.パスカルの定理のさまざまの証明を紹介している.


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