次元のユークリッド空間で考えよう.
実数の個の組
で点が定まると考えるのだ.
ここに個の点
があるとする.
この個の識別と座標成分の識別を明確にするときは,次のように書く.
拓生 上につけるのですね. これら個の点は,同じ平面上にあったりしてはいけないですね.
南海 これら個の点のどの3点も同一直線上にはないとする. これを一般の位置にあるという.
拓生
面体でも重心Gは,
しかし外心の存在は明らかではないです. 2011年の京都大学で外心の存在を示せという問題が出ました. 4通りの解答を学びました.
南海 解の3を使うと数学的帰納法で出来ないか.
拓生 確かに.
のときは三角形の外心である.
のとき成立とする.のときの成立を示す.次元空間で考える. 座標は先と同様とする.
数学的帰納法の仮定から,
個の点
のうち,
個の点
から等距離にある点は存在する.その点を
とする.
任意の実数に対して,点
は方程式
垂心が存在すればのときと同様に,すべて異なる任意の
に対して
拓生
逆にこのとき,点Hを
南海 その前に(ii)を一般化して定式化してほしい.
拓生 はい.
次元空間に面体 がある. その外心をO,外接球の半径をとする.その垂心が存在するとし,それをHとする. 個の頂点から一つを除いた他の点で定まる次空間を, この面体の面という.
各面の重心点,各頂点から対面への垂線の足点, 頂点と垂心をに内分する点点の点は同一球面上にある. ■
証明
頂点と垂心Hをに内分する点と
面
の重心との中点をEとする.
から面 への垂線の足を とすると,球の直径が であり, 垂心の定義から なので,もこの球面上にある. 以上から,各点ずつ個の点はEを中心とする半径の球面上にある. □
拓生 垂心が存在しなくても,一定の定理にすることが出来るのですか.
南海 そこが彦根東高校の高校生が考えたところで, この証明で使ったところだけを引き出すと,次のようにまとめることが出来る.
次元空間に面体
がある.
その外心をO,外接球の半径をとする.
点Hを
拓生 そうか.これで証明に使ったことは全てはいっていますね.
南海 こういうことを考えている 高校生がいるということは,たいへん嬉しいことだ.