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関連入試問題

三項間漸化式と二次行列に関してはいろんな入試問題がある.いくつか紹介しよう. また95年の神戸大の問題は, 数列の全体が作るベクトル空間を問題にしているものなのであわせて紹介しよう.

演習 1       [00年静岡大後期]    解答1

行列 $A=\matrix{p}{q}{r}{s}$ に対して, $d=ps-qr,\ t=p+s$ とおく.このとき,次の問いに答えよ.ただし, $E$ は二次の単位行列であり, $A=kE$ となる実数 $k$ は存在しないものとする.

  1. $A^2=tA-dE$ となることを示せ.
  2. $A^n=a_nA+b_nE\ (n=1,\,2,\,3,\,\cdots)$ とする とき, $a_{n+1},\ b_{n+1}$ $a_n,\ b_n,\ d,\ t$ を用いて表せ.
  3. $A=\matrix{-1}{-2}{3}{4}$ のとき, $A^n\ (n=1,\,2,\,3,\,\cdots)$ を求めよ.

演習 2       [00年新潟大前期]    解答2

実数 $d$ を定数とし, 二次の正方行列 $A$$A^2-A+dE=O$ をみたすとする.また,自然数 $n=1,\,2,\,3,\,\cdots$ に対して, $x$ についての整式の $x^n$$x^2-x+d$ で割ったときの商を $Q_n(x)$ , 余りを $a_nx+b_n$ とする. すなわち,

\begin{displaymath}
x^n=(x^2-x+d)Q_n(x)+a_nx+b_n
\end{displaymath}

とする.このとき,次の問いに答えよ.ただし, $E$ は単位行列,0は零行列を表す.
  1. $n=1,\,2,\,3,\,\cdots$ に対して, $a_{n+1}=a_n+b_n,\ b_{n+1}=-da_n$ が成り立つことを示せ.
  2. $n=1,\,2,\,3,\,\cdots$ に対して, $A^n=a_nA+b_nE$ が成り立つことを(1)の式を用い,数学的帰納法で証明せよ.
  3. $A=\matrix{1}{2}{3}{0}$ とする.このとき, $A^2-A-6E=O$ で あることを示し, $n=1,\,2,\,3,\,\cdots$ に対して, $A^n$$n$ の式で表せ.

演習 3       [96年神大理系後期]    解答3

数列 $\{f_n\}$ は, $f_{n+1}=2f_{n-1}+f_n\ (n=2,\,3,\,\cdots)$ となる関係がある. このとき,次の問いに答えよ.

  1. $\vecarray{f_n}{f_{n+1}}=A\vecarray{f_{n-1}}{f_n}\ (n=2,\,3,\,\cdots)$ を みたす行列 $A$ を求めよ.
  2. (1)の行列に対して $A\vecarray{1}{u}=a\vecarray{1}{u},\ A\vecarray{1}{v}=b\vecarray{1}{v}$ をみたす $a,\ b,\ u,\ v$ を求めよ.ただし, $a>b$ とする.
  3. (2)の $u,\ v$ に対して $P=\matrix{1}{1}{u}{v}$ とする. $P^{-1}AP$ を求めよ.
  4. $n\ge3$ のとき, $f_n$$f_1,\ f_2$ を用いて表せ.

演習 4       [95神大理系前期]    解答4

数列 $\{x_n\}$

\begin{displaymath}
x_{n+3}=x_n+x_{n+1}+x_{n+2} \quad (n=1,\ 2,\ 3,\ \cdots)
\end{displaymath}

をみたすとき, 数列 $\{x_n\}$ は性質 (F) を持つということにする. このとき次の問に答えよ.
  1. 数列 $\{ u_n \},\ \{v_n\}$がともに性質 (F) を持つならば, $\alpha,\ \beta$ を実数とするとき数列 $\{ \alpha u_n+\beta v_n \}$ は性質 (F) を持つことを示せ.
  2. 数列 $\{ a_n \},\ \{b_n\},\ \{c_n\}$は性質 (F) を持ち, 数列 $\{a_n\}$ の初めの3項は順に $1,\ 0,\ 0$ , 数列 $\{b_n\}$ の初めの3項は順に $0,\ 1,\ 0$ , 数列 $\{ c_n \}$ の初めの3項は順に $0,\ 0,\ 1$ である. このとき性質 (F) を持つ 数列 $\{y_n\}$ は,ある実数 $\alpha,\ \beta,\ \gamma$ を選んで, $\{ \alpha a_n+\beta b_n+\gamma c_n \}$ と表すことができることを示せ.
  3. 数列 $\{ d_n \},\ \{e_n\},\ \{f_n\}$は性質 (F) を持ち, 数列 $\{ d_n \}$ の初めの3項は順に $0,\ 1,\ 1$ , 数列 $\{ e_n \}$ の初めの3項は順に $1,\ 1,\ 0$ , 数列 $\{f_n\}$ の初めの3項は順に $1,\ 0,\ -1$である. このとき性質 (F) を持ち,初めの3項が$1,\ 1,\ 1$である 数列 $\{ h_n \}$ は, どのように実数 $\alpha,\ \beta,\ \gamma$ を選んでも $\{ \alpha d_n+\beta e_n+\gamma f_n \}$ と表すことができないことを示せ.

演習 5       [02千葉大理系前期]    解答5

行列 $E$$A$

\begin{displaymath}
E=\matrix{1}{0}{0}{1},\ A=\matrix{4}{3}{2}{-1}
\end{displaymath}

とおく.行列$xE-A$が逆行列をもたないような$x$の2つの $\alpha,\ \beta\ (\alpha>\beta)$とし, 行列$P,\ Q$

\begin{displaymath}
P=\dfrac{1}{\alpha-\beta}\matrix{\alpha+1}{3}{2}{\alpha-4},\
Q=\dfrac{1}{\beta-\alpha}\matrix{\beta+1}{3}{2}{\beta-4}
\end{displaymath}

で定める.このとき,次の問いに答えよ.
  1. 行列の積$PQ$を計算せよ.
  2. 自然数$n$に対して,$P^n$を求めよ.
  3. すべての自然数$n$に対して

    \begin{displaymath}
A^n=\alpha^nP+\beta^nQ
\end{displaymath}

    が成立することを示せ.


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