上: 内部構造の分析
前: 考え方
解答 1.1
問題
1.1
解1
を
の連立方程式と見て解く.
であるから
したがって,
これを最初の式に代入して
解2
条件式@から のとき,
.
これをAに代入して
のとき,@から
.この
と
を2に代入すると,
の値が存在する.
は軌跡の点.
のとき,Aから
.
のときに限り
が存在しない.
つまりいかなる,
をもってしても
は解になり得ない.
は除外点.
解3
それぞれの方程式は
\[
\left\{
\begin{array}{l}
m(x+4)-y+21=0 \\
x-14+m(y+3)=0
\end{array}
\right.
\]
と変形でき,それぞれ定点$(-4,\ 21)$と$(14,\ -3)$を通る.
かつ,
\[
m\cdot 1+(-1)m=0
\]
より,2直線は直交している.
第一の直線は,定点のまわりを $ y $ 軸平行となる以外で回転する.
第二の直線は,定点のまわりを $ x $軸平行となる以外で回転する.
したがって,交点の軌跡は,二定点を直径とする円であり,かつ
いかなる $ m $ をもってしても交点が $ (-4,\ -3) $ にはならない. $ (-4,\ -3) $ は除外点.
\[
(x-5)^2+(y-9)^2=15^2 \quad ただし点(-4,\ -3)を除く
\]
□
解答 1.2
問題
1.2
,
とする.条件 1.2.から を用いて
とおける.条件 3.から
より
なので,
これから
で,
.これを2式のいずれかに代入して整理すると
求める軌跡は
□
解答 1.3
問題
1.3
-
- (1)
-
とする.
における接線は
これが, いずれも
を通るので
条件@は直線が
を通ることを示している.
したがって, 直線 の式は
一方@の2式を引くことにより,
また
の辺々を引いて
A,Bから
ゆえに AB の中点 は直線
上にある.
したがって は2直線,と
の交点である.
これから
別解
と
は相似である.
つまり
とおける.Cに代入して
- (2)
- 点 Q とおく.
ここで
が円 上を動くので
ここで
のときは A, B での接線は平行になるので
.つまり .これに注意して整理すると
求める軌跡は次の円である.
□
解答 1.4
問題
1.4
条件式を逆に解く. のとき2式の分母はともに0でないので,
この2式を
の連立方程式として整理すると,
より
のとき
の満たすべき条件は
のとき2式に
を代入して整理すると
となり,@と両立しない.よって
となる
は存在しない.
3直線の交点を
とすると,
より求める領域は左図のようになる.
(訂正:「A(-1,-2)」を「A(-2,-1)」に)
(訂正:Iをiに,2カ所.「-x+1」を「-x-1」に)
ここで,
と
は,
より,
となるので, 接する.
□
注意
最初の考察で を用いた行は,実際の解答には書かなくてもよい.また
を用いているところも,はじめから,固定された点 と座標系の を
あえて混同して, のままでよい.
したがって,
「点 が求める通過領域にあることと,
二次方程式 が に解をもつことは同値である.」
のような論述でよい.
解答 1.6
問題
1.6
直線ABの式は
点
が通過領域にあるのは,
についての方程式
が
に解をもつことと同値である.
とおく.
である.したがって,その条件は
これから、
が通過領域の点であるための必要十分条件は
よって求める領域は
(訂正:「x3+3x」を「x3-3x」に)
それを図示する.
□
注意
点 は,はじめから点と座標系をあえて混同して で,論述してもよい.
次の解答はそのようにする.
解答 1.7
問題
1.7
で であるから で極大, で極小である.
したがって点 が求める領域の点であることは,
を満たす
が存在することと同値である.
すなわち
となる
が存在すればよい.
それを図示する.
□
解答 1.9
問題
1.9
-
- (1)
- 二つの放物線とが二つの共有点をもつことは,
それらの曲線の方程式を連立させてを消去した
が,相異なる二つの実数解をもつことと同値である.
を整理して
したがって
これから
- (2)
- の二つの解を
とする.
解と係数の関係から
の面積をとすると
ここで
- (3)
- が(1)で求めた範囲を動くとき,点が,
少なくとも1つのに属するための必要十分条件は
となるが存在することである.
は
である.ここで
とおく.
の範囲でとなるが存在する条件は,
軸
で場合に分けて
これから変数をとにして
これとの共通領域が,条件を満たす点の集合である.
と
は
で接し,
とはで交わる.また
とはで接する.このことに注意して
図示すると右のようになる.
ゆえにその面積は
□
解答 1.10
問題
1.10
(1)
,
とおく.
線分 PQ を1:2に内分する点Rの座標をとする.
このとき,
である.
を
に,
を
に置きかえると
は
になり,
は変化しない.よって領域
は
軸に関して対称であり,
を
の範囲で固定して考えればよい.
を消去して
ここで平面に直線と領域,
を図示しての変域を求める.
直線と領域,の共有部分がの変域を与える.のとき
なので,図から
となる.
がこの変域を動くときの
の2次関数
の値域が,
を固定したとき点
が
に属するための
の条件である.
軸は条件によってつねにの変域の内にある.
よっての最小値はつねにである.
またの変域の中点はそれぞれ
であり,
はこれより小さいので,最大値は変域の右端でとる.
である.対称性を考え
における
の条件は次のようになる.
これからの条件をで表すと,
(2)
これを満たす
の集合が
である.
これを図示すればよい.
と
は
から
で交わる.また
と
の
との位置関係は
よりともに
で接する.
以上をもとに図示すると次のようになる.
□
逆像法による別解
$ \mathrm{P}(p,\ p^2) $ , $ \mathrm{Q}(q,\ q^2) $ とおく.
線分 PQ を1:2に内分する点Rの座標を $ (a,\ b) $ とする.
このとき,
\[
a=\dfrac{2p+q}{3},\
b=\dfrac{2p^2+q^2}{3}
\]
である.点 $ (a,b) $ が $ D $ に属することは,
これを満たす $ p,\ q $ が $ -1\leqq p,\ q\leqq 1 $ に存在することと同値である.
これから $ q $ と $ p $ を消去して2つの2次方程式を得る.
\begin{eqnarray*}
&&6p^2-12ap+9a^2-3b=0\\
&&3q^2-6aq+9a^2-6b=0
\end{eqnarray*}
定数を約した方程式の左辺を $ f(p),\ g(q) $ とおく.
\begin{eqnarray*}
f(p)&=&2p^2-4ap+3a^2-b\\
g(q)&=&q^2-2aq+3a^2-2b
\end{eqnarray*}
求める $ a $ と $ b $ の条件は次のようになる.
(*) $ f(p)=0,\ g(q)=0 $ が $ -1\leqq p,\ q \leqq 1 $
の範囲に関係式 $ a=\dfrac{2\alpha+\beta}{3} $ を満たす解 $ \alpha $ と $ \beta $ をもつ.
$ f(p)=0 $ と $ g(q)=0 $ は $ a=\dfrac{2p+q}{3} $ の置きかえで相互に変わるので
$ f(p)=0 $ の2つの解の一方と $ g(q)=0 $ の2つの解の一方,
$ f(p)=0 $ の2つの解の他方と $ g(q)=0 $ の2つの解の他方はそれぞれ
関係式 $ a=\dfrac{2p+q}{3} $ を満たしている.
したがって条件(*)が成立するのは次のいずれかの場合である.
(i)
$ f(p)=0 $ が $ -1\leqq p \leqq 1 $ に1解をもち他の解が $ p\leqq -1 $ にあり,
$ g(q)=0 $ が $ -1\leqq q \leqq 1 $ に2解をもつか,
1解をもち他の解が $ 1\leqq q $ にある.
\begin{eqnarray*}
&&f(-1)\geqq 0,\ f(1)\leqq 0\\
&かつ&g(-1)\geqq 0,\ g(1)\geqq 0,\ D_g\geqq 0\
または\ g(-1)\leqq 0,\ g(1)\geqq 0
\end{eqnarray*}
(ii)
$ f(p)=0 $ が $ -1\leqq p \leqq 1 $ に1解をもち他の解が $ 1\leqq p $ にあり,
$ g(q)=0 $ が $ -1\leqq q \leqq 1 $ に2解をもつか,
1解をもち他の解が $ q\leqq -1 $ にある.
\begin{eqnarray*}
&&f(-1)\leqq 0,\ f(1)\geqq 0\\
&かつ&g(-1)\geqq 0,\ g(1)\geqq 0,\ D_g\geqq 0\
または\ g(-1)\geqq 0,\ g(1)\leqq 0
\end{eqnarray*}
(iii)
$ f(p)=0 $ が $ -1\leqq p \leqq 1 $ に2解をもち,
$ g(q)=0 $ が $ -1\leqq q \leqq 1 $ に少なくとも1つの解をもつ.
\begin{eqnarray*}
&&f(-1)\geqq 0,\ f(1)\geqq 0,\ D_f\geqq 0\\
&かつ&g(-1)\geqq 0,\ g(1)\geqq 0,\ D_g\geqq 0\\
&&または\ g(-1)\geqq 0,\ g(1)\leqq 0
\ または\ g(-1)\leqq 0,\ g(1)\geqq 0
\end{eqnarray*}
$ f(p)=0 $ の解が $ p=\pm 1 $ の場合は重なって入っているが,
いずれかの条件を満たせばよいのでかまわない.
\begin{eqnarray*}
f(-1)&=&2+4a+3a^2-b\\
f(1)&=&2-4a+3a^2-b\\
D_f/4&=&2(-a^2+b)\\
g(-1)&=&1+2a+3a^2-2b\\
g(1)&=&1-2a+3a^2-2b\\
D_g&=&2(-a^2+b)
\end{eqnarray*}
なので,条件は次のようになる.
(i)
\begin{eqnarray*}
&&b\leqq 3a^2+4a+2,\ b\geqq 3a^2-4a+2\\
&かつ&
\ b\leqq \dfrac{3}{2}a^2+a+\dfrac{1}{2},\
b\leqq \dfrac{3}{2}a^2-a+\dfrac{1}{2},\ b\geqq a^2\\
&&または\ b\geqq \dfrac{3}{2}a^2+a+\dfrac{1}{2},\
b\leqq \dfrac{3}{2}a^2-a+\dfrac{1}{2}
\end{eqnarray*}
(ii)
\begin{eqnarray*}
&&b\geqq 3a^2+4a+2,\ b\leqq 3a^2-4a+2\\
&かつ&
\ b\leqq \dfrac{3}{2}a^2+a+\dfrac{1}{2},\
b\leqq \dfrac{3}{2}a^2-a+\dfrac{1}{2},\ b\geqq a^2\\
&&または\ b\leqq \dfrac{3}{2}a^2+a+\dfrac{1}{2},\
b\geqq \dfrac{3}{2}a^2-a+\dfrac{1}{2}
\end{eqnarray*}
(iii)
\begin{eqnarray*}
&&b\leqq 3a^2+4a+2,\ b\leqq 3a^2-4a+2,\ b\geqq a^2\\
&かつ&
b\leqq \dfrac{3}{2}a^2+a+\dfrac{1}{2},\
b\leqq \dfrac{3}{2}a^2-a+\dfrac{1}{2},\ b\geqq a^2\\
&&または\
b\leqq \dfrac{3}{2}a^2+a+\dfrac{1}{2},\ b\geqq \dfrac{3}{2}a^2-a+\dfrac{1}{2}\\
&&または\ b\geqq \dfrac{3}{2}a^2+a+\dfrac{1}{2},\
b\leqq \dfrac{3}{2}a^2-a+\dfrac{1}{2}
\end{eqnarray*}
これを満たす $ (a,\ b) $ を図示する.
【以下,図は同じ.またこの図から問(1)の解を求める.】
上: 内部構造の分析
前: 考え方
Aozora Gakuen