東大理系前期5　問題　解答　2001年入試に戻る

　このような問題は受験生に対する東大からのメッセージであり，その意味は

数学本来の勉強に立ち返れ

　ということだと考える．

　今年の入試は，これまでの東大入試問題にあった複雑な計算問題や煩瑣な場合分けは出題されず，代わって「論理・論証」が文理とも出題された．明確な論証能力を問うものであった．日常的で具体的な問題に対して数学的なモデルをしっかりと立て，それに基づいて論証するという，数学本来の考える力が問われた．
　受験数学を学問として正面から学び，考える力をつける，という青空学園数学科の方針どおり，論証問題を中心に日頃から本格的に考え勉強してきた人にはやりがいがあるが十分できる問題であった．これに対し，小手先の方法ばかり覚えるような勉強をしてきた人には大変難しかったに違いない．

　さて5番は，今回いちばん難しかったのではないか．しかしまたいちばん数学的な問題だ．
　基本的に背理法である．結論と異なることが起こったと仮定して，その操作の2，3回前の状態を調べればよい．