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慶応医

設問(1)から(5)に答えなさい.

4で割ると余りが1になるような素数 $p,\ p=4k+1$,を1つとる.これに対し,等式

\begin{displaymath}(\mathrm{Q}) \quad \quad \quad \quad a^2+4bc=p
\end{displaymath}

を満たす自然数3つの組 $(a,\ b,\ c)$の全体を考える.両辺の絶対値を比べればわかるよう に,このような自然数3つの組の可能性は有限通りしかありえない.

いま等式(Q)を満たす自然数3つの組 $(a,\ b,\ c)$から新しく自然数3つの組を作る手続きを 次の(i),(ii),(iii)により定める:

(1)
a<b-cならば $(a+2c,\ c,\ b-a-c)$を作る;
(2)
b-c<a<2bならば $(2b-a,\ b,\ a-b+c)$を作る;
(3)
a>2bならば $(a-2b,\ a-b+c,\ b)$を作る.

(1)
$(a,\ b,\ c)$が等式(Q)を満たす自然数の組でさらに(i)の条件a<b-cを満 たすとする.このとき,上の(i)より得られる $(a+2c,\ c,\ b-a-c)$もまた等式 (Q)を満たすことを示しなさい.
(2)
等式(Q)を満たす自然数の組 $(a,\ b,\ c)$a=b-ca=2bを満たすことは ないことを示しなさい.
(3)
等式(Q)を満たす自然数の組 $(a,\ b,\ c)$の中には,上の手続きを施しても変化し ないという性質を持つものが存在する.p=4k+1と表すとき,この性質を持つ $(a,\ b,\ c)$k を用いて具体的に与え,かっそれがただ1組しか存在しないことを 示しなさい.
(4)
等式(Q)を満たす自然数の組 $(a,\ b,\ c)$に対して上の手続きを2回繰返して施す とどうなるか,結論を簡潔に説明しなさい.また,この観察をもとに等式(Q)を満たす自 然数3つの組の全体の個数が偶数か奇数かを決定し,そう判断できる理由を述べなさい. ただし,等式(Q)を満たす自然数3つの細から上の手続きにより新しく作られた自然数3つの 組は(i),(ii),(iii)のどの場合でも再び等式(Q)を満たすという事実については ここでは証明なしに用いてよい.
(5)
素数p=4k+1をある2っの自然数 $a,\ b$ により

p=a2+(2b)2

と表すことができることを示しなさい.


AozoraGakuen
2002-06-21