次 上 前 次: 3. 上: 2. 解答 前: 1.

2.

(1) xn+1x2-x-1 で割った商を Qn(x) とすると,各 n に対して

xn+1=Qn(x)(x2-x-1)+anx+bn

となる.したがって

\begin{eqnarray*}&&Q_{n+1}(x)(x^2-x-1)+a_{n+1}x+b_{n+1}=x^{n+2}\\
&=&x(x^{n+1...
..._nx+b_n\}\\
&=&xQ_n(x)(x^2-x-1)+a_n(x^2-x-1)+(a_n+b_n)x+a_n
\end{eqnarray*}


割り算の一意性より,

an+1x+bn+1=(an+bn)x+an

これは恒等式であるから係数を比較して,

\begin{displaymath}\left\{
\begin{array}{l}
a_{n+1}=a_n+b_n\\
b_{n+1}=a_n
\end{array}
\right.
\end{displaymath}

が成立する.
(2) $a_n,\ b_n$ が共に互いに素な正の整数であることを数学的帰納法で示す.

x2=x2-x-1+(x+1)

より $a_1=1,\ b_1=1$ .ゆえに n=1 のとき,成立する. n のとき成立するとする. (1)より $a_{n+1},\ b_{n+1}$ は正の整数である. $a_{n+1},\ b_{n+1}$ の最大公約数を d とし, $a_{n+1}=da,\ b_{n+1}=db$ とおく. (1)より

\begin{displaymath}a_n=b_{n+1}=db,\ b_n=a_{n+1}-b_{n+1}=d(a-b)
\end{displaymath}

なので, d$a_n,\ b_n$ の公約数である. 帰納法の仮定から $a_n,\ b_n$ は互いに素なので, d=1 .つまり $a_{n+1},\ b_{n+1}$ も互いに素である. したがって n+1 のときにも成立する. ゆえに,一般に自然数 n に対して題意が成立することが示された.

AozoraGakuen
2002-03-01