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早稲田理工2番解答

(1)   一般的に考える.
中心を $\mathrm{O}'$ とする半径 $b$ の動円 $D$ が半径 $a$ の基準円 $C$ の内側をまわるとする. 動点Pが円 $C$ 上にあるところから,中心の回転角が $\theta$ まで回転したとする. すべらずに動くので,円 $C$ と円 $D$ の接点の動いた跡の長さが等しい. つまり, $|a\theta|=|b\alpha|$ である. よって,動円 $D$ のそのときの円 $C$ との接点から点Pまでの円周角 $\alpha$ は, 方向も考えて $\alpha=-\dfrac{a}{b}\theta$ となる.


したがってベクトル$\overrightarrow{\mathrm{O}'\mathrm{P}}$が $x$軸の正の方向となす角は$-\dfrac{a}{b}\theta+\theta=\dfrac{a-b}{-b}\theta$ となり, \begin{eqnarray*} \overrightarrow{\mathrm{OP}} &=&\overrightarrow{\mathrm{OO'}}+\overrightarrow{\mathrm{O'P}}\\ &=&(a-b)(\cos\theta,\ \sin\theta)+ b\left(\cos\left(\dfrac{a-b}{-b}\theta \right),\ \sin\left(\dfrac{a-b}{-b}\theta \right)\right) \end{eqnarray*} となる. ここで,$a=1$,$b=\dfrac{1}{2}$とすると, \[ \overrightarrow{\mathrm{OP}}= \dfrac{1}{2}\left(\cos\theta,\ \sin\theta\right)+ \dfrac{1}{2}\left(\cos\left(-\theta \right),\ \sin\left(-\theta \right)\right)=(\cos\theta,\ 0) \] となり,点Pは,接点を端点とする $C$ の直径上を動く.
時刻 $t_0$ で点Pが $\left(\dfrac{1}{4},\ \dfrac{\sqrt{3}}{4} \right)$ にあるということは, この点が乗っている直径が点Pの軌跡となる. 直線 $y=\sqrt{3}x$ と円 $C$ との2交点は $\left(\dfrac{1}{2},\ \dfrac{\sqrt{3}}{2} \right)$, $\left(-\dfrac{1}{2},\ -\dfrac{\sqrt{3}}{2} \right)$ なので, \[ \begin{array}{ll} \left(\dfrac{1}{2},\ \dfrac{\sqrt{3}}{2} \right)&\cdots (2)の答\\ y=\sqrt{3}x\ \left(-\dfrac{1}{2}\leqq x \leqq \dfrac{1}{2} \right)&\cdots (3)の答 \end{array} \]

次に,$(\cos\theta,\ 0)$ において $\cos\theta=\dfrac{1}{2}$ となるのは, $\theta=\pm \dfrac{\pi}{3}$ のときである.
従って,時刻 $t_0$ における $D$ の中心は,第2象限にあることを考え,$y=\sqrt{3}x=\tan \dfrac{\pi}{3}\ x$ からさらに, $\dfrac{\pi}{3}$ 回転した位置にあり,その座標は \[ \dfrac{1}{2}\left(\cos \dfrac{2\pi}{3},\ \sin \dfrac{2\pi}{3}\right) =\left(-\dfrac{1}{4},\ \dfrac{\sqrt{3}}{4} \right) \quad \cdots (1)の答 \] である.

これらについては「光線の包絡線」内の「内サイクロイドと外サイクロイド」参照のこと.

問題