南北に走る幅10mの車道がある. 車道の西側には歩道があり,東側には川が流れている. 歩道を歩く酔っ払いが,歩道から1mのところに飛び出した. 歩道に戻ろうとしているが,酔っ払っているので, 毎秒,の確率で西の歩道の方へ1m, の確率で東の川の方へ1m,動いている. 川に落ちればそこで動けない.歩道に戻ればもう動かない.
歩道から mのところにいて,歩道に戻る確率を, 川に落ちて動けなくなる確率をとする.ただしどれだけ時間がかかってもよいとする.
解答 (1)
mにいて歩道に戻れるのは, 次の一歩が歩道向かうか川に向かうかで場合に分けられる.
歩道に1m近づいて,そこから確率で戻れるか, 川に1m近づいて,そこから確率で戻れるか,いずれかである.
これから
(2)
は定義から
の漸化式は
このような確率は酔歩の確率などといわれる. 試行の回数はいくら多くてもよく,その意味で無限回試行の確率の典型的な例となる.
m のところにいて回で歩道に戻る確率をとすると,
また,本問の場合は自明なことではなく,このようにそれぞれを求めてはじめて示されることである.
AとBの2人が次のようなゲームを行う. を自然数とし,Aはそれぞれ と書かれた 枚の札をもっている.Bはそれぞれ と書かれた 枚の札をもっているとする.第1回目にBがAの持札から1枚の札をとり,もし番号が一致する札があればその2枚をその場に捨てる.番号が一致しない札はそのまま持ち続ける.次にBに持札があれば,AがBの持札から1枚の札をとり,Bと同じことをする.こうして先に札のなくなったほうを勝とする.Aが勝つ確率を ,Bが勝つ確率を とする.ただし相手の札を取るとき,どの札も等しい確率でとるものとする.
次の問題は,酔歩ではない無限回試行の確率である.
太郎君は硬貨を2枚,花子さんは硬貨を3枚もっている.いま,次のようなゲームをする.ジャンケンをし,太郎君が勝ったならば花子さんから1枚もらえ,太郎君が負けたならば花子さんに1枚渡す.ただし,太郎君がジャンケンに勝つ確率は であり,どちらかのもっている硬貨の枚数が0となったときにその者が敗者となってゲームは終わる.
を,太郎君が 枚もっている状態においてそれ以降に太郎君が勝つ確率とする.
次の問題は,平面上を動く酔歩の例である.
図のような,横3m,縦4mのいかだがある.
点線の区画は幅が1mである.点Aの位置に柱が立っている.
いま酔っ払いが点Pにいる.この人は1歩が1mで上下左右に等しい確率で動く. ※印のところに行けば海に落ちてしまう. 柱の位置に行けばそこで柱につかまり助かる. この酔っ払いが海に落ちることなく,柱のある所に行く確率を求めよ. |
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