南海 さてここで,推論型の命題など,条件から構成される命題についていろいろ考えよう.
および を集合 を定義域とする命題関数, つまりはの要素 に関する条件とする.
このとき次のものはすべて命題となる.
これらを順に
なお,(3)は「が真となるすべての に関しては真である」 ということだ.
また上の三つは記号的には次のように書く.ただし.条件 に対して 「」 と ピリオドを打って文章にしたときは「が成立する.」あるいは「は真である.」 を意味するものとする.
それぞれの命題の否定はどうなるかな.
史織 順に次のようになるのではないでしょうか.
南海 その通りだ.「 が偽となる」ということと「 が真となる」は 同じことなので,記号で書くと順に
含意命題は「の任意の要素について,が真ならは真である.」 とすればわかるように,一種の全称命題だ.全称命題が偽であることを示そうとすれば,成立しない 要素が存在することを示せばよい.
史織 それが「反例」ですね.
南海 ここで息拔きに練習問題.
次の命題について,真偽を判断せよ.ただし, と は実数とする.
南海 大切なことは,例えば(1)は 「 となるような に対して, が成り立つ」 という命題だということである.
このように考えていけば難しいことは何もない.