南海 これらの変換はの1次式で定まるので, 単項式の次数を変えない. だからがこれらの変換で不変なら, その同次数の項を集めた部分が不変である. だからはじめからは3変数の同次式であるとしてよい.
は 単項式を単項式 に変える. が の整式として恒等的にと等しいのなら, 各単項式の係数が一致しなければならない. したがって . つまりである. よってこの変換 で不変な同次式は, という形をした次数の等しい単項類からなることが必要である. つまり,不変式はとで対称である.
したがって 群とで不変なら,必然的にでも不変である. もちろん 群とで不変なら,必然的にでも不変である. といってもよい.
耕介 少しずつわかってきました. がのこの作用で不変であるためには 変数とは必ずという形で入っていなければならない. だからかで不変であればよい.
ところで,
が
任意のでに等しいということは,
をで微分した
導関数が0,つまり文字係数をもつの整式として
南海 いいところに気がついた.
耕介 この微分は合成関数の微分ですが, 変数が3個あるので難しいです.
南海
3変数の関数を
その中のについて微分することを
と書く.
耕介
の項
南海
任意ので0になるのだからでも0になることが必要.
これから恒等的に
注意 先に注意したようにとについて対称なので次の条件でもよい.
かっこ内の微分の組合せは, 3変数の関数に作用するので微分作用素という. これらの微分作用素を次のように置く.
耕介 これは何にせよ, 3変数の整式を同じ3変数の整式に写します. つまりの要素を同じに写します.
南海 さらに2つの整式 , および数定数に対して
耕介 ベクトル空間の線型写像のようです.
南海 まさにそうだ.