2018.6.15/2011.12.21/2002.1.25
南海 この「ポンスレの定理」は,私が1996〜7年頃いろいろ計算したものが基礎になっている.その計算などをもとに「ポンスレの定理」を青空学園に上げてからずいぶん時間が経った.その後,二回増訂している.円の場合を一般的に示したもの,それから一般の二次曲線で代数的に証明した部分である.これを書いたのは五,六年前ではないかと思う. 『幾何学の精神』を準備してきて,再びポンスレの定理を取りあげることになる.その準備のためにこの「ポンスレの定理」を読みかえしていると,一,二論証が不十分なところが見つかった.これをなおした.こうして,入試問題からはじめて,その文字定数を一般的において解いてゆくと,必ずしも実数解とならない4次方程式が現れる.その正体を調べると,のとき虚な共通接線が関係している.また除外点がないようにしようとすると,必然的に複素数体上の射影直線,射影平面が必要になる.こうして入試問題を解明しようとすると,複素射影平面が必然的に導入される.
ここでは特別な場合に閉形定理の必要十分条件を計算しているが,実は,必要十分条件を一般的な形で明示的に書くことができる.それを含め,『幾何学の精神』では,ここでの論を一般化し,古典的で射影幾何的なポンスレの定理の証明,線型代数にもとづく一般的証明,代数的証明,解析的証明を取りあげる.あるいは逆に楕円曲線の考察をふまえ,代数幾何的にポンスレの定理の意味を深めること,これらをおこなう予定である. (2011年12月)