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双曲線関数の逆関数

南海   $x=\dfrac{e^t+e^{-t}}{2}$の逆関数はどのようになるだろう.

耕一  $t$について解いてみます.

\begin{displaymath}
x=\dfrac{e^t+e^{-t}}{2}\quad \iff\quad (e^t)^2-2xe^t+1=0
\end{displaymath}

$e^t>0$ですから $e^t=x+\sqrt{x^2-1}$.したがって $t=\log(x+\sqrt{x^2-1})$です.

これは入試問題でよく見かけます.

南海   先の面積$S$$\dfrac{t}{2}$なのだから,この面積$S$$x$で表せば

\begin{displaymath}
\dfrac{1}{2}\log(x+\sqrt{x^2-1})
\end{displaymath}

となる.

同様に $y=\dfrac{e^t-e^{-t}}{2}$$t$について解くと

\begin{displaymath}
t=\log(y+\sqrt{y^2+1})
\end{displaymath}

なる.

図のように$S$とさらに三角形の面積$T$を加えてみよう.

耕一  $x^2-y^2=1$$x$について解くと$x>0$では $x=\sqrt{y^2+1}$ですから

\begin{displaymath}
T=\dfrac{1}{2}xy=\dfrac{y\sqrt{y^2+1}}{2}
\end{displaymath}
したがって

\begin{displaymath}
S+T=\dfrac{\log(y+\sqrt{y^2+1})}{2}+\dfrac{y\sqrt{y^2+1}}{2}
\end{displaymath}

南海   これは$x^2-y^2=1$$x$について解いて $x=\sqrt{y^2+1}$とし, このグラフと$x=0$$x=y$で囲まれる部分の面積だ.

耕一  つまり

\begin{displaymath}
\int_0^y\sqrt{y^2+1}\,dy=\dfrac{\log(y+\sqrt{y^2+1})}{2}+\dfrac{y\sqrt{y^2+1}}{2}
\end{displaymath}

変数を$x$にして不定積分でかくと

\begin{displaymath}
\int \sqrt{x^2+1}\,dx=\dfrac{1}{2}\log(x+\sqrt{x^2+1})+\dfrac{1}{2}x\sqrt{x^2+1}+C
\end{displaymath}



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