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放物線の弧長

耕一  これはまさに放物線の弧長の式です. 放物線 $y=\dfrac{1}{2}x^2$$x=0$から$x=1$の部分の長さは,$y'=x$なので,

\begin{displaymath}
\int_0^1 \sqrt{x^2+1} \,dx
\end{displaymath}

です.ところが上の不定積分があるので,

\begin{displaymath}
\int_0^1 \sqrt{x^2+1} \,dx=\dfrac{1}{2}\left\{\log(\sqrt{2}+1)+\sqrt{2} \right\}
\end{displaymath}

と求まります.

南海   渦巻き線 $x=\theta\cos \theta,\ y=\theta\sin \theta$ $0 \le \theta \le 2\pi$の 部分の長さを求めようとすると,次の計算が必要である.

\begin{eqnarray*}
&&\left(\dfrac{dx}{d\theta}\right)^2+\left(\dfrac{dy}{d\theta}...
...-\theta\sin\theta)^2+(\sin\theta+\theta\cos\theta)^2
=\theta^2+1
\end{eqnarray*}

したがってこの長さは

\begin{displaymath}
\int_0^{2\pi}\sqrt{\theta^2+1}d\theta
\end{displaymath}

となり,同じ不定積分が必要になる.これは2002年京大で出題された. 紹介しておこう.

演習 5   [02年京大前期理系]    解答5
  1. $x\ge 0$で定義された関数 $f(x)=\log(x+\sqrt{1+x^2})$について,導関数を求めよ.
  2. 極方程式 $r=\theta\ (\theta \ge 0)$ で定義される曲線の, $0 \le \theta \le \pi$ の部分の長さを求めよ.

 

放物線を頂点で軸と直交する直線に沿ってすべらないように転がすとき,焦点のえがく軌跡が懸垂線になる.これをあつかった入試問題を,

途中の小問をすべて省いて紹介する.これまで導いた式を使って解いてみよう.

演習追加 [98早稲田理工改題]  解答


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