【わかる(分かる、解る、判る)】[wakaru]
▼一つのものが別々になる。また、区分される。混沌としたなかからあるもの、または何かのことが明確になること。混沌としたなかに、あることもの、または何かのことを知ること。
▽わかれる。 ◇『世間胸算用』四「面屋(おもや)よりわかりて、隠居付の女十一人」
▽物事の意味、内容、事情、区別などが了解される。 ◇わたしには彼の考えがわからない。彼は英語がわかる。音樂がわかる人だ。 ◇『日葡辞書』「リガvacaru(ワカル)、または、vacaranu(ワカラヌ)」
▽立場、気持、事情などを察してさばけた気持を持つ。世情、人情に通じる。 ◇話がわかる人に出会った。あの人は本当に物のわかった人だ。 ◇『洒落本』古契三娼「品川でまつざか屋の野風といった女郎しゅが、わかったものさ」 ◇『其面影』二葉亭四迷「世間は皆貴方の様に然う分暁(ワカ)った人ばかりでも有りませんからねえ」
▽事実などがはっきりする。判明する。知れる。 ◇すぐに嘘だとわかることを言うな。真相がわからない。明日のことはどうなるかわからない。 ◇よくわかった、私に任せなさい。 ◇この問題の意味がわかった。 ◇『西洋道中膝栗毛』仮名垣魯文「跡でわかるから騷がなくっても能(いい)と云ったら」 ◇『当世書生気質』坪内逍遙「外には難解点(ワカランとこ)はありゃせんか」 ◇『千鳥』鈴木三重吉「藤さんのだという事は問わずとも別っている」