次: 確率計算の方法
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問題
平面上に 個の点
,
(,2,,) がある.
上下に隣り合う2点 , を結ぶ線分を「縦辺」(,2,,),
左右に隣り合う2点 ,
および ,
を結ぶ線分を「横辺」(,2,,) と言う.
すべての横辺には,各辺独立に,確率 で右向きの矢印が,
確率 で 印が描かれている.
またすべての縦辺には常に上向きの矢印が描かれている.
このとき点
から出発して,矢印の描かれている辺だけを通り,矢印の方向に進んで,
点
に到達する経路が少なくとも1本存在する確率 を求めよ.
方針
-
- 1.
- 事象を排反な事象に場合分けして直接計算する.
- 2.
- のときとのときの関係を調べ,
排反となる場合分けをして漸化式を立てる.
解1
辺
で最後のの位置で場合に分ける.ただしがない場合も考える.
- 辺
にがない場合.辺
はいずれでもよい.この事象の確率はである.
- 最後のが横辺
にある場合.辺
はいずれでもよく,横辺
はすべて→でなければならない.この場合が1カ所,→がカ所あり,その他はいずれでもよいので,この事象の確率はである.
に対してそれぞれ排反であるから,この場合の確率は
である.
解2
との漸化式を求める.
までの点が合計個あるとする.
点
から出発して点
への経路が存在する場合を
2つに分ける.
- 点を通るものが存在しない場合.
確率で点を通ることなくに至り,
そこから確率で
にいく.よってこの事象の確率は
- 点を通るものが存在する場合.
点に来る確率がで,
横辺
か
のいずれかが
矢線であればよく,その確率は
である.よってこの事象の確率は
これは排反であるから
これから
であるから
よって
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