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確率変数の加法性[91年京大文理系]

問題     

1 から $n$ までの相異なる $n$ 個の自然数($n\ge 4$)の中から無作為に2 個を取り出し, 大きい方を $X_1$,小さい方を $Y_1$ とする. つぎに残りの $(n-2)$ 個の自然数の中から無作為に 2 個を取り出し, 大きい方を $X_2$,小さい方を $Y_2$ とする.

  1. $X_1+Y_1$ の期待値を求めよ.
  2. $X_1$ の期待値を求めよ.
  3. $Y_2$ の期待値を求めよ.


方針

1.
小問1を,確率分布が等しい確率変数の期待値は等しいことを用いる.
2.
小問1を計算で導く.


  1. $X_3=n+1-Y_1$, $Y_3=n+1-Y_1$とおく. $X_1,\ Y_1$の確率分布と $X_3,\ Y_3$の確率分布は等しいから

    \begin{eqnarray*}
E(X_1+Y_1)&=&E(X_3+Y_3)\\
&=&E(n+1-Y_1+n+1-Y_1)\\
&=&2(n+1)-E(X_1+Y_1)
\end{eqnarray*}


    \begin{displaymath}
∴\quad E(X_1+Y_1)=n+1
\end{displaymath}

    別解

    \begin{eqnarray*}
E(X_1+Y_1)&=&\sum_{i<j}\dfrac{1}{{}_n \mathrm{C}_2}(j+i)\\
...
...-1)(j-2)}{3}\\
&=&\dfrac{3}{n(n-1)}\dfrac{(n+1)n(n-1)}{3}=n+1
\end{eqnarray*}

  2.  $X_1=j$となるのは他の一枚が1から$j-1$のいずれかのときである.

    \begin{eqnarray*}
E(X_1)&=&\sum_{j=2}^n\dfrac{j-1}{{}_n\mathrm{C}_2}j\\
&=&\d...
...2}^n\dfrac{(j+1)j(j-1)-j(j-1)(j-2)}{3}\\
&=&\dfrac{2}{3}(n+1)
\end{eqnarray*}

  3. 2回目に$(i<j)$を引くのは, 1回目に$i$$j$も引かず,2回目に残った$n-2$枚から$(i<j)$を引く場合であるから その確率は

    \begin{displaymath}
\dfrac{{}_{n-2} \mathrm{C}_2}{{}_n\mathrm{C}_2}\cdot\dfrac{1}{{}_{n-2} \mathrm{C}_2}
=\dfrac{1}{{}_n \mathrm{C}_2}
\end{displaymath}

    したがって$Y_2$の確率分布と$Y_1$の確率分布は一致する.

    \begin{eqnarray*}
∴\quad E(Y_2)&=&E(Y_1)\\
&=&E(X_1+Y_1)-E(X_1)=\dfrac{1}{3}(n+1)
\end{eqnarray*}



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