平面において,原点Oを通る半径 の円をとし,
その中心をAとする.
Oを除く上の点Pに対し,次の2つの条件(a), (b)で定まる点Qを考える.
方針
解1
(1)
をが円の直径となる点とし,
半直線上の点を
のとき
つまり点が円上を動けば,点は直線上を動く. 逆に,直線上の点があれば, 半直線と円は原点および他の点で交わり,条件を満たす点を定める.
よって点の軌跡が直線である,
(2) 原点を中心とする半径1の円をとする.
より, なら である.つまり点が円の内部にあれば点は円の外部にある. 同様に点が円の外部にあれば点は円の内部にあり, 点が円の周上にあれば点は点と一致する.
したがって円が円の内部にあればとに共通点はない. 円が円に内接すればとは1点を共有する. 円が円と交われば,はこの交点を通り,したがってとは2点で交わる. つまりとが2点で交わることが求める条件である.
その条件は
解2
記号は解法1のものを使う.
(1)
条件から正の数を用いて
円は線分を直径とする円なので,
点が円上にあることは
(2)
がと2点で交わる条件は,
円の中心ととの距離が半径より小さいことである.
(1)からととの距離は
であり,から
解3 (1)
,
とし,
を成分で書く.
円の中心をとする.原点を通るので,である.
円は円の方程式
を展開整理して代入する.条件から
なので
(2)
がと2点で交わる条件は,
円の中心ととの距離が半径より小さいことである.
解4
(1)
図形を複素数平面で考え,
とおく.
条件から正の数を用いてとおけ,さらに条件から
(2) はベクトルの場合と同様なので省略する. □
吟味
点Qは,点Pの,原点を中心とする半径1の円に関する反転 または鏡像である,という.
反転を扱うには,図形的方法とベクトルや座標,あるいは複素数平面による方法がある. 解法1は,若干異なるが,ベクトルを用いた解法2と座標による解法3は,本質的には同じことで,表現が異なるだけである.
ベクトルでは までしかできないが,複素数では まで簡明になるので,逆に解いて代入することが可能になる.このように反転を座標平面で扱うときは,複素数平面として考えるのが一番簡明でである.