例題 1.19 [92神戸大]
自然数 に対して,1から までのすべての自然数の集合を とする.
から への写像 が次の条件
ただし,集合 の各要素に対して集合 の要素を1つずつ対応させる規則のことを, から への写像という. 写像は などで表し, の要素 に写像 で対応する の要素を と書く.
解答
である.
なら として をとればよい.そこで とする. なら として をとればよい.そこで とする.
このとき,かつ なので となる の中の最大のものが存在する. それを とする. である.
は を満たさないので .
ところが ならば,つねになので
ここでもし
なら,隣りあう二つの自然数 と
の間にさらに自然数が存在し不合理.
次のような別解もある.
背理法でやってみようとするのは自然な発想だ. 問題をその次の段階.数学的帰納法でを示せれば,のところで矛盾が起こる.
別解 背理法で示す.
のすべての に対して であるとする. このときすべての について であることを数学的帰納法で示す.
かつなので .
とする. ならば,つねになので . したがって であるが なので である. 数学的帰納法によってすべての について となる.
ところがこのとき なので, が から への写像であることと矛盾した. ゆえに のの中に少なくとも一つ となる が存在する.□