次: 関数解析
上: 微分の方法
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が定数関数なら
なので.
が整式のとき.は定数とを定数倍したものの和なので,
の微分ができれば,の微分もできる.
を自然数とする.
の乗であるを微分する方法は3つある.
方法1
となることを,次数に関する数学的帰納法で示す.
のときは明らかに成立.
で成立とする.
このとき
なのででも成立し,すべてので成立する.
方法2
直接示す方法の一つは二項定理を用いる.
二項定理とは,の展開式が
組合せの場合の数を表す記号
を用いて
と表されることをいう.
これを用いてを微分しよう.
方法3
もう一つは,因数分解
を用いる方法である.この因数分解で,とすると
なので
ここで
なので,これから
となる.
□
有理数に対しての微分は指数関数と対数関数の微分からも求まる.
が,直接求めることもできる.以下は自然数とする.
商の微分から
は,
区間で単調増加な関数の逆関数である.
逆関数の微分から
なので
2つの関数と
の合成関数である.
合成関数の微分から
なので
より
また
逆三角関数の定義3.4にしたがってそれぞれの定義域に注意する.
とする.より
範囲のに対して
である.
同様に
とする.よりこの範囲のに対して
である.
とする.
よりこの範囲のに対して
である.
1章2節の系33.1より
なので
である.
また1でない正数に対して
ここでとおく.である.
のときなので
よって
また1でない正数に対して
であるから
ここでは任意の実数,定義域はとする.
とする.
の両辺をで微分する.
これから
このように対数をとって微分する方法を対数微分という.
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2014-05-23