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演習問題

練習問題 1 (解答1)       

$n$ を整数とするとき,次のことを示せ.

(1)
$n(n+1)(n+2)(n+3)$ は24の倍数である.
(2)
$n$ が奇数ならば, $n^3-n$ は24の倍数である.
(3)
$n$ が2でも3でも割り切れないならば, $n^2-1$ は24の倍数である.
(4)
$n(n+1)(2n+1)$ は6の倍数である.
(5)
$n^3-3n^2+8n$ は6の倍数である.

練習問題 2 (解答2)       

$a,\ b$ は互いに素な正の整数とするとき,次の問に答えよ.

(1)
分数 $\dfrac{7a+2b}{3a+b}$ は既約分数である.
(2)
$ps-qr=1$ なる正の整数 $p,q,r,s$ に対して, 分数 $\dfrac{pa+qb}{ra+sb}$ は既約分数である.
(3)
$\dfrac{11n-42}{3n-13}$が既約分数にならないような 自然数 $n$ を,小さい方から順に三つ求めよ.

練習問題 3 (解答3)        次の不定方程式の一般解を求めよ.
(1)
$25x+13y+15z=1$
(2)
$2x+6y+5z+7w=1$

練習問題 4 (解答4)  

$a=p^{\alpha}q^{\beta}r^{\gamma}\cdots$$a$ の素因数べきへの分解とする. 以下の命題を示せ.

(1)
$a$ のすべての約数は

\begin{displaymath}
p^xq^yr^z\cdots
\end{displaymath}

において $0\le x \le\alpha$ , $0\le y \le\beta$ , $0\le z \le\gamma,\ \cdots$ を動くことで漏れなくまた重複なく得られる.
(2)
$a$ の約数の個数 $T(a)$

\begin{displaymath}
T(a)=(1+\alpha)(1+\beta)(1+\gamma)\cdots
\end{displaymath}

で与えられる.
(3)
$a$ のすべての約数の和$S(a)$

\begin{displaymath}
S(a)=\dfrac{p^{\alpha+1}-1}{p-1}\cdot \dfrac{q^{\beta+1}-1}{q-1}
\cdot \dfrac{r^{\gamma+1}-1}{r-1}\cdot \cdots
\end{displaymath}

で与えられる.
(4)
$a,\ b,c$ ,が互いに素なとき,

\begin{displaymath}
T(abc)=T(a)T(b)T(c)
\end{displaymath}

また

\begin{displaymath}
S(abc)=S(a)S(b)S(c)
\end{displaymath}

(5)
$a$ のすべての約数の積は

\begin{displaymath}
a^{\frac{T(a)}{2}}
\end{displaymath}

に等しい.

練習問題 5 (解答5)  

古代ギリシアの数学では整数 $a$ の約数(1を入れて$a$自身を入れない)の和が $a$ に等しいとき $a$完全数 と称していた.すなわち練習問題4 の記号では

\begin{displaymath}
S(a)=2a
\end{displaymath}

のとき $a$ を完全数という.
(1)
$n>1$ に対して $a=2^{n-1}(2^n-1)$とおく.$2^n-1$ が素数になるとき,$a$ は完全数であることを示せ.
(2)
逆に偶数の完全数はこのような形の数しかないことを示せ.

練習問題 6 (解答6)  

次のことを示せ.

(1)
$a,\ a',\ a'',\ \cdots$ がおのおの $b,\ b',\ b'',\ \cdots $ と互いに素なら $aa'a''\cdots$$bb'b''\cdots$ も互いに素である. とくに $(a,\ b)=1$ なら $(a^n,\ b^n)=1$
(2)

\begin{displaymath}
(a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_m)(b_1,\ b_2,\ \cdots,\ b_n)
=(a_1b_1,\ a_1b_2,\ \cdots,\ a_2b_1,\ \cdots,\ a_mb_n\ )
\end{displaymath}

(3)
$a_1,\ a_2,\ \cdots ,\ a_n$ のなかの少なくとも一つの素因数分解に 現れる素数を $p,\ q,\ \cdots$とし, 現れたすべての素数に関する積を

\begin{displaymath}
a_k=\prod_pp^{\alpha_k(p)} \ (\alpha_k(p) \ge 0)
\end{displaymath}

とおく. $a_1,\ a_2,\ \cdots ,\ a_n$ の最大公約数を $m$ , 最小公倍数を $l$ とするとき,

\begin{displaymath}
\begin{array}{l}
\displaystyle m
=\prod_pp^{\mathrm{M...
...1(p),\ \alpha_2(p),\ \cdots,\ \alpha_n(p))}\\
\end{array}
\end{displaymath}

ただし Min はいずれより大きくない数,Max はいずれより小さくない数,を表す.
(4)
$a_1,\ a_2,\ \cdots ,\ a_n$ の最大公約数を$d_1$, これら$n$個の数から2数を選ぶと ${}_n \mathrm{C}_2$組みできるが, 各組の数の積 $a_1a_2,\ a_1a_3,\ \cdots,\ a_{n-1}a_n$ の最大公約数を $d_2$とする. 一般に $a_1,\ a_2,\ \cdots ,\ a_n$ のなかから$k$数選ぶと ${}_n \mathrm{C}_k$組できるが, 各組の数の積をとりそれらの数の最大公約数を $d_k$とする. 特に $a_1a_2\cdots a_n=d_n$である.
(i)
$k=2,\ \cdots n$ に対して$d_k$$d_{k-1}$ で割りきれる.
(ii)
$\dfrac{d_k}{d_{k-1}}=e_k$ (ただし $e_1=d_1$)とおくと$e_k$$e_{k-1}$ で割りきれる.
(iii)
また

\begin{displaymath}
e_1 e_2\cdots e_n=a_1 a_2 \cdots a_n
\end{displaymath}

(iv)
$e_n$ $a_1,\ a_2,\ \cdots ,\ a_n$ の最小公倍数に等しい.
(5)
仮に $a,\ b,\ c,\ \cdots$ の最小公倍数を $\{a,\ b,\ c,\ \cdots\}$ で表すことにする.

\begin{displaymath}
\{(a_1,\ m),\ (a_2,\ m),\ \cdots,\ (a_n,\ m)\}
=(\{a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_n\},\ m)
\end{displaymath}

(6)
$l$ $a,\ b,\ c,\ \cdots$の最小公倍数とする. $a,\ b,\ c,\ \cdots$ の約数で二つずつ互いに素であるような $a_0,\ b_0,\ c_0,\ \cdots$

\begin{displaymath}
l=a_0b_0c_0\cdots
\end{displaymath}

となるものが存在する.

練習問題 7 (解答7)  
(1)
$p$ が素数ならば 二項係数 ${}_p \mathrm{C}_k\ (p>k>0)$$p$ で割り切れることを示せ.
(2)
$k$ がちょうど $p$$l$ 乗で割りきれる ならば, ${}_{p^n} \mathrm{C}_k\ (p^n>k>0)$$p^{n-l}$ で割り切れることを示せ.

練習問題 8       解答8     $n!$ の因数分解に含まれる素因数 $p$ の最高べきの指数は,

\begin{displaymath}
\left[\dfrac{n}{p}\right]+\left[\dfrac{n}{p^2}\right]+\cdots
=\sum_{k=1}^{\infty}\left[\dfrac{n}{p^k}\right]
\end{displaymath}

であることを示せ.ただし $ \left[x \right]$ は実数 $x$ を超えない最大の整数を表す.

練習問題 9 (解答9)  

$\dfrac{m}{n}\ (m>0,\ n>1)$ を既約分数とする. 分母$n$ の素因数分解を $n=p^{\alpha}q^{\beta}\cdots$とすれば, 分数 $\dfrac{m}{n}$は, $ 0<x<p^{\alpha},\ 0<y<q^{\beta},\ \cdots,\ s\ge 0$ である整数 $x,\ y,\ \cdots,\ s$を用いて

\begin{displaymath}
\dfrac{m}{n}=\dfrac{x}{p^{\alpha}}+\dfrac{y}{q^{\beta}}+\cdots \pm s
\end{displaymath}

と一通りに部分分数に分解されることを示せ.

関連入試問題

入試問題 1 (解答1)   [98お茶の水女子大]

正の数 $k,\ l\ (k \ge l)$ に対して 数列 $\{ a_n \},\ \{b_n\}$ を次のように定義する.
$a_1=k,\ b_1=l$
$n \ge 1$ について

\begin{displaymath}
a_{n+1}=\left\{
\begin{array}{ll}
b_n&(b_n\ne0のと...
...とき)\\
b_n&(b_n=0のとき)
\end{array}
\right.
\end{displaymath}

(1)
$k=1998,\ l=185$ について, $\{ a_n \},\ \{b_n\}$ を それぞれ第5項まで計算せよ.
(2)
任意の $k,\ l,\ n$ について $b_n\ge b_{n+1}$ (等号は $b_n=0$ のときに限る) を示せ.
(3)
任意の $k,\ l$ について $b_n=0$ となる $n$ が存在することを示せ.
(4)
$b_n=0$ となる $n$ について $a_n$$k$$l$ の最大公約数になっていることを示せ.

入試問題 2 (解答2)   [91阪大理系後期]

条件 $a \ge b$ を満たす正の整数 $a,\,b$ から数列 $\{ r_n \}$ $r_1=a,\,r_2=b,$

\begin{displaymath}
n \ge 3 に対して, r_n =
\cases{
r_{n-2} を r_{n...
...>0$\ のとき) \cr
0 & ( $r_{n-1} =0$\ のとき) \cr
}
\end{displaymath}

によって定める.

また,数列 $ \{ f_n \}$ $f_1=0,\,f_2=1,\,f_n=f_{n-1}+f_{n-2} (n \ge 3 のとき)$ に よって定める.このとき,以下のことがらを示せ.

(1)
$r_N>0, \, r_{N+1}=0$ となる整数 $N$ が存在する.以下, $N$ はこの整数を表す.
(2)
$r_{N+2-k} \ge f_k \,\,(k=1,2, \cdots , N+1)$
(3)
$f_{n+1} \ge \left( \dfrac{3}{2} \right) ^{n-2} \,\,\,(n=1,2,\cdots )$
(4)
$N \le 2+ \log _{\frac{3}{2}} a$

入試問題 3   解答3     [80京大文系]

互いに異なる $n$ 個($n\ge 3$)の正の数の集合 $S=\{a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_n\}$ が次の性質をもつという.

$S$ から相異なる要素 $a_i,\ a_j$ をとれば $a_i-a_j,\ a_j-a_i$ の少な くとも一方は必ず $S$ に属する」
このとき, $a_1,\ a_2,\ \cdots ,\ a_n$ の順序を適当に変えれば等差数列 になることを示せ.

入試問題 4   解答4     [80京大理系]

互いに異なる $n$ 個($n\ge 3$)の実数の集合 $S=\{a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_n\}$ が次の性質をもつという.

$S$ から相異なる要素 $a_i$$a_j$ をとれば $a_i-a_j$$a_j-a_i$ の少な くとも一方は必ず $S$ に属する」
このとき,
(1)
次の2つのうちのいずれか一方が成り立つことを示せ.
(イ) $a_i\ge 0\ (i=1,\ 2,\ \cdots,\ n)$
(ロ) $a_i\le 0\ (i=1,\ 2,\ \cdots,\ n)$
(2)
$a_1,\ a_2,\ \cdots ,\ a_n$ の順序を適当に変えれば 等差数列になることを示せ.

入試問題 5   解答5 [85お茶の水女子大]

自然数を要素とする空集合でない集合$G$が次の条件(i),(ii)を満たしているとする.

(i)
$m,\ n$$G$の要素ならば,$m+n$$G$の要素である.
(ii)
$m,\ n$$G$の要素で$m>n$ならば,$m-n$$G$の要素である.
このとき$G$の最小の要素を$d$とすると $G=\{kd\ \vert\ k\ は自然数\ \}$であることを証明せよ.

入試問題 6 (解答6)   [08奈良県立医大]

$p,\ q$を互いに素な正整数とする.

(1)
任意の整数$x$に対して,$p$個の整数 $x-q$$x-2q$$\cdots$$x-pq$$p$で割った余りはすべて相異なることを証明せよ.
(2)
$x>pq$なる任意の整数$x$は,適当な正整数$a,\ b$を用いて$x=pa+qb$と表せることを証明せよ.

入試問題 7 (解答7)   [00大阪女子大]

$a,\ b$ は互いに素な正の整数とする.

(1)
$4m+6n=7$を満たす整数 $m,\ n$ は存在しないことを示せ.
(2)
$3m+5n=2$を満たすすべての整数の組 $(m,\ n)$ を求めよ.
(3)
$k$ を整数とするとき, $ak$$b$ で割った余りを $r(k)$ で表す. $k,\ l$$b-1$ 以下の正の整数とするとき, $k\ne l$ ならば $r(k)\ne r(l)$ であることを示せ.
(4)
$am+bn=1$ を満たす整数 $m,\ n$ が存在することを示せ.

入試問題 8 (解答8)   [立命改題]

$a,\ b,\ c$ は正の整数とし $a,\ b$ は互いに素であるとする. $x_0,\ y_0$ は整数で, $ax_0+by_0=c$ を満たすものとする.このとき次のことを証明せよ.

(1)
整数 $l$$m$$al+bm=c$ を満たすとき

\begin{displaymath}
l=x_0+bu,\ m=y_0-au
\end{displaymath}

を満たす整数 $u$ が存在する.
(2)
$c=ab$ のとき $ax+by=c$ を満たす正の整数の組 $(x,\ y)$ は存在しない.
(3)
$c>ab$ のとき $ax+by=c$ を満たす正の整数の組 $(x,\ y)$ が存在する.
(4)
$ax+by=k,\ 0<k\le ab$ を満たす正の整数の組 $(x,\ y)$ が存在しない $k$ はいくつあるか.

入試問題 9 (解答9)   [02金沢後期理系]

$p,\ q$ は互いに素な整数とし, $1<p<q$ とする.座標平面内の集合 $L$

\begin{displaymath}
L=\{\ (m,\ n)\ \vert\ m,\ n は整数で0 \le m <q-1,\ 0 \le n <p-1\ \}
\end{displaymath}

とし,$L$ の各元 $\mathrm{A}(m,\ n)$ に対し $N(\mathrm{A})=mp+nq$ とおく.
(1)
$L$ の各元 $\mathrm{A},\ \mathrm{B}$ について, $N(\mathrm{A})=N(\mathrm{B})$ ならば $\mathrm{A}=\mathrm{B}$ であることを示せ.
(2)
$L$ の各元 $\mathrm{A}(m,\ n)$ に対し,$L$ の元 $\mathrm{A}^{\char93 }(q-2-m,\ p-2-n)$ を対応させる. $\mathrm{A}^{\char93 } \ne \mathrm{A}$ を示せ.
(3)
$N(\mathrm{A})\le pq-(p+q)$ となるためには, $N(\mathrm{A}^{\char93 })\ge pq-(p+q)$ であることが必要十分条件であることを示せ.
(4)
$N(\mathrm{A})\le pq-(p+q)$ を満たす $L$ の元 $\mathrm{A}$ の個数を求めよ.

入試問題 10 (解答10)   [00阪大]

どのような負でない二つの整数 $m$$n$ をもちいても

\begin{displaymath}
x=3m+5n
\end{displaymath}

とは表すことができない正の整数 $x$ をすべて求めよ.

入試問題 11 (解答11)   [00京大理系後期]

$xy$ 平面上の点で $x$ 座標, $y$ 座標がともに整数である点を格子点という.

$a,\ k$ は整数で $a\ge 2$ とし,直線

\begin{displaymath}
L\ :\ ax+(a^2+1)y=k
\end{displaymath}

を考える.
(1)
直線 $L$ 上の格子点を一つ求めよ.
(2)
$k=a(a^2+1)$ のとき, $x>0,\ y>0$ の領域に直線 $L$ 上の格子点は 存在しないことを示せ.
(3)
$k>a(a^2+1)$ ならば, $x>0,\ y>0$ の領域に直線 $L$ 上の格子点が 存在することを示せ.

入試問題 12 (解答12)   [89京大]

座標平面において,$x$ 座標,$y$ 座標がともに整数である点を格子点と呼ぶ.

四つの格子点 $\mathrm{O}(0,\ 0),\ \mathrm{A}(a,\ b),\ \mathrm{B}(a,\ b+1),\ \mathrm{C}(0,\ 1)$ を考える.ただし,$a,\ b$ は正の整数で,その最大公約数は1である.

(1)
平行四辺形OABCの内部(辺,頂点は含めない)に格子点はいくつあるか.
(2)
(1)の格子点の全体を $\mathrm{P}_1,\ \mathrm{P}_2,\ \cdots,\ \mathrm{P}_t$ とするとき, $\bigtriangleup\mathrm{OP}_i\mathrm{A}\ \ (i=1,\ 2,\ \cdots,\ t)$ の面積のうちの 最小値を求めよ.ただし $a>1$ とする.

入試問題 13 (解答13)   [91東大]

$xy$ 平面上, $x$ 座標, $y$ 座標がともに整数であるような点 $(m,\ n)$ を格子点と呼ぶ.

各格子点を中心として半径 $r$ の円がえがかれており, 傾き $\displaystyle \frac{2}{5}$ の任意の直線はこれらの円のどれかと共有点をもつという. このような性質をもつ実数 $r$ の最小値を求めよ.

入試問題 14 (解答14)   [90京大後期]

$n$ を奇数とし, $\displaystyle f(x)=\left\vert \sin \frac{ 2 \pi x}{n} \right\vert$ とする.

  1. 集合 $ \{f(k) \vert k は整数 \}$ は何個の元をもつか.
  2. $m$$n$ と素な整数とする.

    集合

    \begin{displaymath}
\left\{f(mk) \Big\vert k は 0 \le k \le \dfrac{n-1}{2} なる整数 \right\}
\end{displaymath}

    $m$ によらず一定であることを示せ.

入試問題 15 (解答15)   [08名大理系]

次の問いに答えよ.

(1)
$3x+2y\le 2008$ を満たす0以上の整数の組$(x,\ y)$の個数を求めよ.
(2)
$\dfrac{x}{2}+\dfrac{y}{3}+\dfrac{z}{6}\le 10$ を満たす0以上の整数の組$(x,\ y,\ z)$の個数を求めよ.

入試問題 16 (解答16)   [88群馬大]

自然数 $k$ を2の累乗と奇数の積として $k=2^am\ (a は 2の累乗の指数,\ m は奇数)$ と表すとき, $f(k)=a$ と定める.

\begin{displaymath}
S_n=\sum_{k=1}^nf(k)
\end{displaymath}

とするとき,
(1)
$S_{50}$ を求めよ.
(2)
$n$ が2の累乗のとき $S_n$$n$ の式で表せ.
(3)
$\dfrac{n-1}{2}\le S_n<n$ であることを示せ.

入試問題 17 (解答17)   [97京大文]

自然数 $n$ の約数の個数を $d$ とする. $n$ の約数をすべて並べて得られる 数列を $a_k\ (1 \le k \le d)$ とする.したがって, $a_1=1$$a_d=n$ $a_k<a_{k+1}\ (1 \le k < d)$ である.このとき, $n$ に対する次の二つの条件(イ),(ロ)は互いに同値((イ) $\iff$ (ロ))であることを示せ.

    (イ)    $n$ は60の倍数である.
    (ロ)    $n$ は6個以上の約数を持ち, $\dfrac{1}{a_3}+\dfrac{1}{a_6}=\dfrac{1}{a_2}$ となる.

入試問題 18 (解答18)   [98上智大]

(1)
81 のすべての正の約数1,…,81の和を求めよ.
(2)
378の正の約数の個数と,それらの和を求めよ.
(3)
自然数 $N$ のすべての正の約数の和は60であるという. このような $N$ はいくつあるか.そのうち2と3のみの積で表せるものは何か.

入試問題 19 (解答19)   [98京大後期文系]

$a,\ b,\ p,\ q$ はすべて自然数で,

\begin{displaymath}
\dfrac{p^2+q^2}{a}= \dfrac{pq}{b}
\end{displaymath}

を満たしている. $a$$b$ の最大公約数が1のとき以下の問いに答えよ.
(1)
$pq$$b$ で割り切れることを示せ.
(2)
$\sqrt{a+2b}$ は自然数であることを示せ.

入試問題 20 (解答20)   [99京大文後期]

自然数$a,\ b,\ c$について,等式$a^2+b^2=c^2$が成り立ち, かつ$a,\ b$は互いに素とする.このとき,次のことを証明せよ.

(1)
$a$が奇数ならば,$b$は偶数であり,したがって$c$は奇数である.
(2)
$a$が奇数のとき,

\begin{displaymath}
a+c=2d^2
\end{displaymath}

となる自然数$d$が存在する.

入試問題 21 (解答21)   [02九大前期理系]

正の整数 $a$ に対し, $a$ の正の約数全体の和を $f(a)$ で表す. ただし,1および $a$ 自身も約数とする.たとえば $f(1)=1$であり, $a=15$ ならば15の正の約数は1,3,5,15なので$f(15)=24$となる.次の問いに答えよ.

(1)
$a$ が正の奇数 $b$ と正の整数 $m$ を用いて$a=2^mb$と表されるとする. このとき

\begin{displaymath}
f(a)=(2^{m+l}-1)f(b)
\end{displaymath}

が成り立つことを示せ.
(2)
$a$ が2以上の整数 $p$ と正の整数 $q$ を用いて$a=pq$と表されるとする. このとき

\begin{displaymath}
f(a)\ge (p+1)q
\end{displaymath}

が成りたつことを示せ.また,等号が成り立つのは,$q=1$かつ$p$が素数であるときに 限ることを示せ.
(3)
正の偶数 $a,\ b$ は,ある整数$m,\ n$とある奇数 $r,\ s$ を用いて $a=2^mr,\ b=2^ns$のように表すことができる.このとき $a,\ b$

\begin{displaymath}
\left\{
\begin{array}{l}
f(a)=2b\\
f(b)=2a
\end{array}
\right.
\end{displaymath}

をみたせば,$r,\ s$は素数であり,かつ $r=2^{n+1}-1,\ s=2^{m+1}-1$ となることを示せ.

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