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5章

解答 18   問題18    

解1      $n^9-n^3=n^2(n^7-n)$ なので $n$ が3の倍数なら明らかに9の倍数である.

3の倍数でないときに示す.$n=3k\pm 1$とおく.

\begin{eqnarray*}
n^9-n^3&=&(3k\pm 1)^3\{(3k\pm 1)^6-1\}\\
&=&(27k^3\pm27k^...
...\bmod.\ 9)\\
&=&(\pm1)(18k^2\pm 9k+1-1)\equiv 0\,(\bmod.\ 9)
\end{eqnarray*}

ゆえに $n^9-n^3$ は9で割り切れる.

解2     

\begin{eqnarray*}
n^9-n^3&=&n^3(n^3-1)(n^3+1)\\
&=&(n-1)n(n+1)n^2(n^2+n+1)(n^2-n+1)\\
&=&(n-1)\{(n-1)^2+3n\}\cdot n^3\cdot(n+1)\{(n+1)^2-3n\}
\end{eqnarray*}

$n$が3の倍数なら$n^3$が9の倍数, $n$が3で割って1余る数なら $(n-1)\{(n-1)^2+3n\}$が9の倍数, $n$が3で割って2余る数なら $(n+1)\{(n+1)^2+3n\}$が9の倍数となり, つねに3の倍数である.

解答 19   問題19    
  1. 整数$n$を3で割ると商が$q$で余りが$r$とする.$r=0,\ 1,\ 2$である.
    \begin{displaymath}
n^2=(3q+r)^2=3(3q^2+2qr)+r^2
\end{displaymath}

    なので,$n^2$$r^2$は3で割った余りが等しい.

    \begin{displaymath}
r^2=0,\ 1,\ 4=3+1
\end{displaymath}

    なので,整数の2乗を3でわった余りは0か1であることを示された. また,$n^2$を3で割った余りが0になるのは,$n$が3の倍数であるときにかぎることも 示された.
  2. $y$$z$も3の倍数でないとする.このとき(1)から $y^2=3k+1,\ z^2=3l+1$ とおける.また2項定理から
    \begin{displaymath}
7^{2n}=(6+1)^{2n}=\sum_{i=0}^{2n-1}{}_{2n}\mathrm{C}_i6^{2n-i}+1
\end{displaymath}

    なので,$7^{2n}=3m+1$とおける.ここで$k,\ l,\ m$は整数である.このとき
    \begin{eqnarray*}
7^{2n}(y^2+10z^2)&=&(3m+1)\{3k+1+10(3l+1)\}\\
&=&(3m+1)\{(3(10l+k+3)+2\}
\end{eqnarray*}

    なので, $7^{2n}(y^2+10z^2)$を3で割ると2余る.

    一方$x^2$を3で割ると0か1余る.ゆえに条件式の両辺を3で割った余りが 右辺と左辺で異なり矛盾である.

    したがって少なくとも$y$または$z$が3の倍数で,$yz$が3の倍数であることが示された.

  3. $yz$が3の倍数で$y,\ z$がともに素数なので,$y=3$または$z=3$である.

    $y=3$のとき.条件式は

    \begin{displaymath}
x^2=7^{2n}(9+10z^2)
\end{displaymath}

    となる.$7^{2n}$も平方数なので,$9+10z^2$は平方数でなければならない. これを$N^2$とおく.つまり $10z^2=(N+3)(N-3)$となる整数$N$が存在しなければならない.

    $N+3=N-3+6$なので,$N+3$$N-3$の偶数・奇数は一致する.ゆえに可能性があるのは

    \begin{displaymath}
(N+3,\ N-3)=(5z^2,\ 2),\ (z^2,\ 10),\ (10z,\ z),\ (5z,\ 2z),\ (10,\ z^2)
\end{displaymath}

    このうち$z$が素数になるのは最後の2つの場合のみ.いずれも$z=2$

    $z=3$のとき.$y^2+90$が平方数.同様に$y^2+90=N^2$とおく.

    \begin{displaymath}
(N+y)(N-y)=90
\end{displaymath}

    である.$N+y=N-y+2y$より$N+y$$N-y$の偶数・奇数は一致し,積は奇数かまたは 4の倍数である.90はそのいずれでもないので,この場合$y$はない.

    したがって$y=3,\ z=2$

    \begin{displaymath}
x^2=7^{2n}(9+40)=7^{2n+2}
\end{displaymath}


    \begin{displaymath}
∴\quad x=7^{n+1}
\end{displaymath}

解答 20   問題20   
  1.  有理数 $\alpha$ $\alpha=\dfrac{q}{p}$とおく.ここで$p$$q$を互いに素にとる.
    \begin{displaymath}
f\left(\dfrac{q}{p}\right)
=\left(\dfrac{q}{p}\right)^n+...
...t)^{n-1}+ \cdots +a_{n-1}\left(\dfrac{q}{p}\right)+a_n
=0
\end{displaymath}

    より
    \begin{displaymath}
q^n=-p\left(a_1q^{n-1}+ \cdots +a_{n-1}qp^{n-2}+a_np^{n-1}\right)
\end{displaymath}

    である.右辺は$p$の倍数で$p$$q^n$も互いに素なので,$p=\pm 1$. よって$\alpha$ は整数である.
  2. 対数を示す.方程式 $f(x)=0$ が有理数の解$\alpha$をもつとする.(1)から$\alpha$は整数である.

    $\alpha$$k$で割った商を$q$,余りを$r$とする.ここで自然数$j$に対して

    \begin{displaymath}
\alpha^j-r^j=(\alpha-r)(\alpha^{j-1}+\alpha^{j-2}r+\cdots+r^{j-1})
\end{displaymath}

    $\alpha-r=kq$より,$\alpha^j-r^j$$k$の倍数である. $\alpha^j=r^j+N_jk$とおく.$a_0=1,\ N_0=0$とする.
    \begin{displaymath}
f(\alpha)
=\sum_{j=0}^na_j\alpha^{n-j}
=\sum_{j=0}^na_...
...-j}k)
=\sum_{j=0}^na_jr^{n-j}+k\sum_{j=0}^na_jN_{n-j}
=0
\end{displaymath}

    より
    \begin{displaymath}
\sum_{j=0}^na_jr^{n-j}=f(r)=-k\sum_{j=0}^na_jN_{n-j}
\end{displaymath}

    となり,これは$k$の倍数である. つまり,$k$ 個の整数 $f(0),f(1),f(2), \cdots ,f(k-1)$ のうち$f(r)$$k$ で割り切れる. $f(0)=a_n$ $\displaystyle f(k)=\sum_{j=0}^na_jk^{n-j}=k\sum_{j=0}^{n-1}a_jk^{n-j-1}+a_n$より, $f(0)$$k$の倍数であることと,$f(k)$$k$の倍数であることは同値である. よって,$k$ 個の整数 $f(1),f(2), \cdots ,f(k)$ のうちに$k$ で割り切れるものが存在する.

    対偶が示され(2)が証明された.

注意 5        定理10によれば $\alpha\equiv r\quad (\bmod.\ k)$のとき
\begin{displaymath}
f(\alpha)\equiv f(r)\quad (\bmod.\ k)
\end{displaymath}

であるが,入試問題ではそのまま使わずはじめから示さなければならない.

注意 6        最高次の係数が1で他の係数が整数である代数方程式の解を代数的整数という. 1次なら$f(x)=x+a$なので,その解も整数$-a$である. 代数的整数はこれを高次に拡大したものである. (1)は代数的整数でかつ有理数であるものは,整数であることを示している.

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Aozora
2015-03-02