next up previous 次: 問題 上: 整式の整数論 前: 整数の基礎
 

整式の整数論

整式の除法

南海  以上の議論を,整式の場合に行おう,というのが今日の主題だ.

ここで,整式の整数論がどのように成りたつかを考えていくのだが, 少し準備的な考察が必要だ.

それは係数をどこにとるかだ.

太郎  有理数係数とか,実数係数とかですか.

南海  普通は実数を係数とする整式全体を考える. このような実数係数の整式の集合を,変数を明示して $R[x]$と表そう.

以下のことは $R[x]$で考えても,有理数係数にかぎって$Q[x]$で考えても, また複素数で考え$C[x]$としても同じことである. そこで,$K$を有理数の集合$Q$, 実数の集合$R$,複素数の集合$C$のいずれかを表すものとし, これからは$K$に係数をもつ整式の集合$K[x]$を考えることにしよう.

ただし, 整数係数で考えるときはまた別であることには注意したい.

$x$ の整式は,つぎの除法の基本性質をもつ. ここで$\deg f(x)$は整式 $f(x)$ の次数を表す.

定理 6 (整式の除法の原理)
     整式 $f(x),\ g(x) (\deg g(x) \ge 1)$ とする.このとき,

\begin{displaymath}
f(x)=g(x) \cdot q(x)+r(x)\ , \ \deg r(x) < \deg g(x)
\end{displaymath}

となる整式 $q(x),\ r(x)$ がただ1組,存在する.

証明

$\deg f(x) < \deg g(x)$ ならば $q(x)=0,\, r(x)=f(x)$ でよい.

$\deg f(x) \ge \deg g(x)$ のとき, $\deg f(x) =n,\,\, \deg g(x)=m$ とする. $f(x)$$g(x)$$n,\,m$ 次の項をそれぞれ $a_0x^n,\, bx^m$ とする.

\begin{displaymath}
f_1(x)=f(x)-\dfrac{a_0}{b}x^{n-m}g(x)
\end{displaymath}

と定めれば, $\deg f_1(x) < \deg f(x)$ である. $f_1(x)$$g(x)$ について同様の操作を繰り返す. $f_k(x)$ の次数が $n_k$ で最高次数の係数が $a_k$ とすれば

\begin{displaymath}
f_{k+1}(x)=f_k(x)-\dfrac{a_k}{b}x^{n_k-m}g(x)
\end{displaymath}

$l$回の操作の後, $\deg f_l(x) < \deg g(x)$ となったとき,

\begin{displaymath}
f_l(x)=r(x),\,\,q(x)=\sum_{k=0}^{l-1}\dfrac{a_k}{b}x^{n_k-m}
\end{displaymath}

とする.この $f_1(x)$ に対し

\begin{eqnarray*}
f(x)&=&g(x)\dfrac{a_0}{b}x^{n-m} +f_1(x)\\
&=&g(x)\dfrac{a_0}...
...dfrac{a_1}{b}x^{n_1-m} +f_2(x)\\
&&\cdots\\
&=&g(x)q(x)+f_l(x)
\end{eqnarray*}

となるので,定理の等式を満たす.

これが1組しかないことを示す.2組あったとする.

\begin{eqnarray*}
f(x) &=& g(x) \cdot q_1(x)+r_1(x) \\
&=& g(x) \cdot q_2(x)+r_2(x)
\end{eqnarray*}

すると,
\begin{displaymath}
g(x) \cdot \{ q_1(x)-q_2(x) \} =r_2(x)-r_1(x)
\end{displaymath} (1)

となる. ここでもし $q_1(x)-q_2(x)\ne 0$なら $\deg(r_2(x)-r_1(x)) \ge \deg g(x)$ である.

ところが一方, $\deg r_1(x) < \deg g(x),\ \deg r_2(x) < \deg g(x) $ だから, $\deg(r_2(x)-r_1(x)) < \deg g(x)$.これは矛盾.

ゆえに等式(1)が成立するのは, $q_1(x)\ =\ q_2(x)$ のときのみである. このとき, $r_1(x)\ =\ r_2(x)$ となる.□

整式の約数・倍数

南海  まず,整数の場合と同じように, 整式$f(x)$が整式$g(x)$の倍数であるとは, $f(x)=q(x)g(x)$を満たす整式$q(x)$が存在することと定義する.

整式の場合も割り算ができ, $f(x)$$g(x)$に対して,$f(x)$$g(x)$で割った商と余りが一意に確定することから,

$f(x)$$g(x)$の倍数であることは, $f(x)$$g(x)$で割った余りが0であることと同値である.

太郎  因数分解は

\begin{displaymath}
x^2+3x+2=(x+1)(x+2)=\{3(x+1)\}\left\{\dfrac{1}{3}(x+2) \right\}=\cdots
\end{displaymath}

のように,定数倍を除いて確定するのですね.

南海  その通りだ.

このように,約数や倍数,因数分解は,定数倍の違いを除いて決まる.

太郎  $K[x]$の中で,0でない定数は逆数もまた整式です. 逆数もまた整式となるのは0でない定数にかぎります. $K[x]$では0でない定数が単数なのですね.

南海 

0および定数でない整式$f(x)$は少なくとも定数と $(0でない定数)\times f(x)$を約数を持つ. これら以外の約数を真の約数という. 真の約数を持たない整式を 既約 という.

既約かどうかは,定数倍しても変わらない.

\begin{displaymath}
x+1,\ 3(x+1),\ -\sqrt{2}(x+1)
\end{displaymath}

はすべて既約である.

既約な整式というのは,整数での素数と同じ役割を果たす.

ここで注意.

既約かどうかは,係数をどこで考えるかによって異なる. 例を挙げてほしい.

太郎  $f(x)=x^4-4$

となります.

南海  そう.だから既約かどうかは係数をどこにとるかで変わり, 整式固有の性質ではない.

太郎  だからあまり素数とはいわないのですね.

最小公倍数・最大公約数


南海  さらに整数のときと同様に,公約数,公倍数が定義される. 整数では$\pm 1$倍を除いて考えるところを, 整式では0でない定数倍を除いて考えることにすれば,まったく同じである.

公約数や公倍数は整数の場合と同じである. 2つの整式$f(x)$$g(x)$がある.

最大公約数とは,$f(x)$$g(x)$の公約数のなかで, 次数が最も大きいものをいう. 最大公約数が定数のとき, $f(x)$$g(x)$互いに素であるという.

最小公倍数とは,$f(x)$$g(x)$の公倍数のなかで, 次数が最も小さいものをいう.

太郎  最大公約数も最小公倍数も定数倍を除いて一つに定まる.

南海  それは証明が必要だ. それを含めて次の定理の証明を整数の場合にならって構成してほしい. 簡単のために,$a(x)$$b(x)$などで整式を表すことにする. すると整数の場合の証明が,ほんの一部の手直しでそのまま使える. どこを直せばよいか考えてみてほしい.

定理 7
(1)
二つ以上の整式の公倍数は,最小公倍数の倍数である.
(2)
二つ以上の整数の公約数は,最大公約数の約数である.
(3)
$a(x),\ b(x)$ の最小公倍数を $l(x)$ , 最大公約数を $d(x)$ とすれば $a(x)b(x)=d(x)l(x)$
(4)
$a(x),\ b(x)$ が互いに素で, 他の整数 $c(x)$$b(x)$ との積 $b(x)c(x)$$a(x)$ で 割りきれるなら,実は $c(x)$$a(x)$ で割りきれる.

南海  (1)を示してほしい.他はそれをもとに『数論初歩』と同様に示される.

太郎  整数の場合を手直しするところは, 絶対値を次数で考えるところです.

証明

$a(x),\ b(x),\ c(x),\ \cdots$ の最小公倍数を $l(x)$ とし, $m(x)$ を任意の公倍数とする. $m(x)$$l(x)$ で割った商を $q(x)$ ,余りを $r(x)$ とすると

\begin{displaymath}
m(x)=q(x)l(x)+r(x),\ \quad \deg r(x))<\deg l(x)
\end{displaymath}

となる. $l(x)$$m(x)$$a(x)$ の倍数であるから $l(x)=a(x)l(x)',\ m(x)=a(x)m(x)'$ とおくと

\begin{displaymath}
r(x)=m(x)-q(x)l(x)=a(x)\{m'(x)-q(x)l'(x)\}
\end{displaymath}

より, $r(x)$$a(x)$ の倍数である. 同様に $b(x),\ c(x),\ \cdots$の倍数でもあり, $r(x)$ $a(x),\ b(x),\ c(x),\ \cdots$ の公倍数となる. ところが $l(x)$ は次数が最小の公倍数であったから, もし $r(x)$ が0でないとすると, $l(x)$ より次数が小さい公倍数がある ことになり, $l(x)$ の次数の最小性に反する.

\begin{displaymath}
∴\quad r(x)=0
\end{displaymath}

つまり $m(x)$$l(x)$ の倍数である.□

南海  この定理の証明においても, 「除法の原理」が基本定理として用いられてることがわかる.

因数分解

南海  さて,整式$f(x)$を既約な整式の積に分解して,

\begin{displaymath}
f(x)={p_1(x)}^{e_1}{p_2(x)}^{e_2}\cdots{p_m(x)}^{e_m}
\end{displaymath}

の形にしたものを素因数分解という.

$p_1(x),\ p_2(x),\ \cdots,\ p_m(x)$は異なる既約な整式, $e_1,\ e_2,\ \cdots,\ e_m$は正の整数である.

このとき整数と同様に次の定理が成り立つ.

定理 8
     整式は既約な整式の積として, 定数倍と順序を除けばただ一通りに表すことができる.

整式の場合も素因数分解の一意性という. 基本的な定理である.

太郎  この証明は整数の場合と同じですね. ここでも,除法が論証の根拠になっているのですね.

南海  そこでだ.整数の因数分解の一意性の証明にならって, 整式の場合についても,除法を用いないツェルメロの方法による別証明をしてみよう.

因数分解の一意性の別証明

異なる因数分解をもつ整式の集合を考える. この集合に属する次数が最小の整式を$f(x)$とする. $f(x)$は相異なる2つの因数分解をもつ.それを

\begin{eqnarray*}
f(x)=p_1(x)p_2(x)\cdots p_r(x)&&(\deg p_1(x)\le \cdots \le \de...
...1(x)q_2(x)\cdots q_s(x)&&(\deg q_1(x)\le \cdots \le \deg q_s(x))
\end{eqnarray*}

とする.ここに $p_1(x),\ \cdots,\ p_r(x),\ q_1(x),\ \cdots,\ q_s(x)$ は既約である.これが異なる因数分解ということは $r\ne s$か,または$r=s$で異なる$p_i(x)$$q_j(x)$が存在するか, のいずれかである. ただし,ここで因数が異なるとは,どのような定数を一方に乗じても $p_i(x)$$q_j(x)$は一致しないことをいう.

また, $p_1(x),\ \cdots,\ p_r(x)$のいずれも $q_1(x),\ \cdots,\ q_s(x)$のいずれとも異なる. なぜなら,もし$p_i(x)=q_j(x)$なら, これを約せば$f(x)$より小さい次数で,異なる因数分解をもつ整式が得られ, $f(x)$がそのような整式のなかで次数最小であることに反する.

$\deg p_1(x)<\deg q_1(x)$とする. $n=\deg q_1(x)-\deg p_1(x)$とすると, 適当な定数$a$

\begin{displaymath}
\deg\{q_1(x)-ax^n p_1(x)\}<\deg q_1(x)
\end{displaymath}

となるようにとる.

ここで整式$g(x)$

\begin{eqnarray*}
g(x)&=&f(x)-ax^n p_1(x)q_2(x)\cdots q_s(x)\\
&=&\{q_1(x)-ax^n p_1(x)\}q_2 \cdots q_s
\end{eqnarray*}

で定める. $\deg g(x)<\deg f(x)$である.

この$g(x)$の因数分解における因数 $q_1(x)-ax^n p_1(x)$$p_1(x)$の倍数ではない. なぜならもし$p_1(x)$の倍数なら$q_1(x)$$p_1(x)$の倍数となり, 互いに異なる既約な整式であることに反する. よってこの因数分解に$p_1(x)$は現れない.

一方$g(x)$

\begin{eqnarray*}
g(x)&=&f(x)-ax^n p_1(x)q_2(x) \cdots q_s(x)\\
&=&p_1(x)\{p_2(x) \cdots p_r(x)-ax^nq_2(x) \cdots q_s(x)\}
\end{eqnarray*}

でもある. この$g(x)$の因数分解には,因数$p_1(x)$が現れている.

よって$g(x)$の2つの因数分解は相異なる因数分解である.

$\deg g(x)<\deg f(x)$なので, $f(x)$が異なる2つの因数分解をもつ次数最小の整式であることと矛盾した.

したがって異なる2つの因数分解をもつ整式は存在しない.□

整式のイデアル

南海  もう一つ,整数の場合と同様に, 証明に除法が使われる基本定理を紹介しよう.

定理 9
     $K[x]$の部分集合$H$が空でなく$\{0\}$のみでもなく, 次の性質をもつとする.

\begin{eqnarray*}
&&f(x),\ g(x)\in H\quad \Rightarrow \quad f(x)-g(x)\in H\\
&&f(x)\in K[x],\ g(x)\in H\quad \Rightarrow \quad f(x)g(x)\in H
\end{eqnarray*}

このとき集合$H$はある整式$d(x)$の倍数の全体と一致する. つまり

\begin{displaymath}
H=\{\ d(x)f(x)\ \vert\ f(x) \in K[x] \}
\end{displaymath}

南海  これが,整式のイデアルの定義だ. 整式のイデアルはある整式の倍数全体になる,ということだ.

太郎 

証明

条件から $0=f(x)-f(x)\in H$である. その結果,$f(x)\in H$なら $-f(x)=0-f(x)\in H$である.

そこで$H$の要素のうち, 次数最小の整式$d(x)$をとる.

$H$の任意の要素$f(x)$をとり,それを$d(x)$で割る.

\begin{displaymath}
f(x)=d(x)Q(x)+R(x)\quad \deg(r(x)) <\deg (d(x))
\end{displaymath}

とおく.$d(x)\in H$より $Q(x)d(x) \in H$である.よって

\begin{displaymath}
R(x)=f(x)-Q(x)d(x) \in H
\end{displaymath}

ここでもし$R(x)\ne 0$なら$d(x)$が次数最小の要素であることに反する. よって$R(x)=0$,つまり$H$の任意の要素$f(x)$$d(x)$の倍数である.

したがって $H=\{\ d(x)f(x)\ \vert\ f(x) \in K[x] \}$が示せた.□

不定方程式の解の存在

南海  これを用いると次のことが示される.

定理 10
     $p(x)$$q(x)$を互いに素な整式とする.このとき

\begin{displaymath}
p(x)u(x)+q(x)v(x)=1
\end{displaymath}

を満たす整式$u(x)$$v(x)$が存在する.

太郎  整式の場合,余りが有限個ではないので部屋割り論法を用いる 方法はうまくいかないようです.

南海  定理9を用いて 定理10を証明してほしい..

太郎 


\begin{displaymath}
H=\{\ p(x)u(x)+v(x)g(x) \ \vert\ u(x),\ v(x)\in K[x] \}
\end{displaymath}

とおく.

$f(x)=p(x)u_1(x)+q(x)v_1(x)$ $g(x)=p(x)u_2(x)+q(x)v_2(x)$$H$に属せば

\begin{displaymath}
f(x)-g(x)=p(x)\{u_1(x)-u_2(x)\}+q(x)\{v_1(x)-v_2(x)\}\in H
\end{displaymath}

である.

したがって定理9より $H$は,$H$に属するある整式$d(x)$の倍数の全体である. $d(x)=p(x)u_0(x)+q(x)v_0(x)$とする.

一方

\begin{displaymath}
p(x)=p(x)\cdot 1+q(x)\cdot 0 \in H,\
q(x)=p(x)\cdot 0+q(x)\cdot 1 \in H
\end{displaymath}

なので,$p(x)$$q(x)$$d(x)$の倍数である. つまり$d(x)$$p(x)$$q(x)$の公約数である. $p(x)$$q(x)$は互いに素なので,$d(x)$は定数である. しかも,$H$は0のみではないので$d\ne 0$である.

つまり

\begin{displaymath}
p(x)u_0(x)+q(x)v_0(x)=d\ (定数)
\end{displaymath}

より $\dfrac{1}{d}u_0(x),\ \dfrac{1}{d}v_0(x)$ $p(x)u(x)+q(x)v(x)=1$を満たす.□

ユークリッドの互除法


太郎  ユークリッドの互除法も同じようにできるのですか.

南海 

簡単のために整式$f(x),\ g(x)$ の最大公約数を $(f(x),\ g(x))$ と書く. 演習問題にしたものあがるのでやってみてほしい.

演習 4   次の(1)(2)を証明し,これを用いて(3)を求めよ.
(1)
任意の整式 $q(x)$ に対して、 $(f(x),g(x))=(f(x)-q(x) \cdot g(x),g(x))$
(2)
$f(x)$$g(x)$ で割った余り $r(x)$ に対し、 $(f(x),g(x))=(r(x),g(x))$
(3)
$(x^3+2x^2-4x-8,\,2x^2+6x+4)$

太郎  解いてみます.

(1)

$(f(x),g(x))=d_1(x)$, $(f(x)-q(x) \cdot g(x),g(x))=d_2(x)$とします.

$f(x))=d_1(x)f_1(x)$, $g(x))=d_1(x)g_1(x)$.また $f(x)-q(x) \cdot g(x)=d_2(x)h(x)$, $g(x)=d_2(x)g_2(x)$とします.


\begin{displaymath}
f(x)=q(x) \cdot g(x)+d_2(x)h(x)=d_2(x)\{q(x)g_2(x)+h(x)\}
\end{displaymath}

より $d_2(x)$$f(x)$$g(x)$の公約数である. $f(x)$$g(x)$の最大公約数が$d_1(x)$なので, 定理7(2)より, $d_2(x)$$d_1(x)$の約数である.

一方

\begin{eqnarray*}
&&f(x)-q(x) \cdot g(x)=d_1(x)\{f_1(x)-q(x) \cdot g_1(x)\}\\
&&g(x)=d_1(x)g_1(x)
\end{eqnarray*}

より,$d_1(x)$ $f(x)-q(x) \cdot g(x)$$g(x)$の公約数である.したがって同様の理由から $d_1(x)$$d_2(x)$の約数である.

つまり$d_1(x)=d_2(x)$が示された.

(2)

$f(x)$$g(x)$ で割った商を$q(x)$とすると,余りが$r(x)$なので

\begin{displaymath}
f(x)=q(x)\cdot g(x)+r(x)
\end{displaymath}

したがって,(1)から

\begin{displaymath}
(f(x),g(x))=
(f(x)-q(x)\cdot g(x),\ g(x))
=(r(x),g(x))
\end{displaymath}

(3)

\begin{displaymath}
(x^3+2x^2-4x-8,\,2x^2+6x+4)=(x^3+2x^2-4x-8,\ x^2+3x+2)
\end{displaymath}

である.$x^3+2x^2-4x-8$$x^2+3x+2$で割ることにより,

\begin{displaymath}
x^3+2x^2-4x-8=(x^2+3x+2)(x-1)-3x-6
\end{displaymath}

(2)から

\begin{displaymath}
(x^3+2x^2-4x-8,\,2x^2+6x+4)=(-3x-6,\ x^2+3x+2)=(x+2,\ x^2+3x+2)
\end{displaymath}

なので

\begin{displaymath}
(x^3+2x^2-4x-8,\,2x^2+6x+4)=x+2
\end{displaymath}


next up previous
次: 問題 上: 整式の整数論 前: 整数の基礎
Aozora Gakuen