を円とし,を放物線を考える. ここで定数は条件 を満たしているとする.
座標がと異なる上の点 からにひとつの接線をひき, その延長が再びと交わる点を とする. からにとは異なる接線をひき, その延長が再びと交わる点をとする. からにとは異なる接線をひき, その延長が再びと交わる点をとする.
拓生 やってみます.
解答
(1)
においてを消去する.
とする.直線の式は
(2)
点
とする.
対称性からとなるために点の座標は1でなければならない.
とする.
直線が円に接すればよい.の傾きは
南海 名古屋大学の問題は確かにこの条件を満たしてる.
拓生
はい.
のとき(2)の条件は
(4)
(2)の条件式を変形する.
南海 その通り.円と円の場合も次のように考えよう.
はを満たす正の定数とする. 平面の二つの円 がある.
上の一点からにひとつの接線をひき, その延長が再びと交わる点をとする. からにとは異なる接線をひき, その延長が再びと交わる点をとする. からにとは異なる接線をひき, その延長が再びと交わる点をとする.
拓生 やってみます.
解答
(1)
, のとき直線の方程式は
(2)
拓生 の係数が0でないことが確認できません.
南海 ここを厳密にやるには,やそのものを射影直線上の媒介変数としなければならない. ここでは, P,Qが一般の位置にあるとして計算し,そのあと極限をとるという考え方でゆこう.
拓生
続けます.
をの2次方程式と見たときその2解は,
(3)
を整理する.
南海
これは,ポンスレの定理の起源となる場合である.
拓生
$a$ は外接円と内接円の中心間の距離で,外接円の半径$r$と内接円の半径1の間に成り立つ関係です.
一般的に,外接円の半径を $R$,内接円の半径を $r$ とし,外心,内心を $\mathrm{O},\ \mathrm{I}$ とすると,
\[
\mathrm{OI}^2=R^2-2Rr
\]
が成り立ちます.これは2012年の宮崎大に出題され,
京大でも,2002年,2006年,そして2017年に関連問題が出題,
2018年には東北大学でも出題されています.
チャップルの定理というのではないでしょうか.
南海
チャップルは三角形に内接する円と外接する円の,中心間と半径の相互関係として,
上記定理を導いたのだろう.
しかしこの関係式は円の相互関係のみで記されており,
三角形は関与していない.
拓生
確かにそうです.
南海
ポンスレはこのことから,この関係式を満たす2円に対して,
つねに一方に外接し一方に内接する三角形が存在すること,
そしてさらに,三角形の頂点の一つが任意の選べることに至ったのではないかと思われる.
さらにそれを2つの2次曲線,3に変えて $n$ と一般化していったのではないか.
拓生 そう考えると,これは確かにポンスレの定理の起源になるのですね.
平面の円と楕円 がある.
定数は条件を満たしているとする.
上の一点からにひとつの接線をひき, その延長が再びと交わる点をとする. からにとは異なる接線をひき, その延長が再びと交わる点をとする. からにとは異なる接線をひき, その延長が再びと交わる点をとする.
また, , とするとき,直線がと接するためのとに関する条件を求めよ.
拓生 これもできそうです.
解答
(1)
楕円上の点の座標は
と表されるので, これをで表すと,
(2)
ここでも
とする.
このときはの二次方程式で,
がその2解となるので, 解と係数の関係より,
(3)
のとき,をの二次式と見たときの軸は
南海
ここで一つ注意したい.
(3)で求めたの定数を除いた部分は
(2)で求めたにおいて
拓生 本当だ.これは接線の定義から が での接線になるのですね. ということはこの場合はとの共通接線を与えるの条件ということになります.
南海 その意味は後に考えよう.
証明
より,
南海 さて,のときは,とを考える. これからを消去する. するとから2回目の操作で定まる点の座標を与える2次方程式が得られるはずだ.
この2次方程式が重解をもてば,つまり図でとなれば,確かに4回で閉じる. それがを頂点とし,に外接し,に内接する四角形が存在するための に関する必要十分条件になるはずだ.
拓生 やってみます. からを消去し, の条件の下での関係式を求める.
拓生 がが満たすべき条件式です. そこで,
のとき,をの二次式と見たときの軸は
南海 ここで得られた条件は,東大の問題の結果と同じだ.
拓生 のときのとのときのの式は違いますが, その判別式の正負は同じです.
南海 そうだ.その意味は何かあるのだろうが宿題にしておこう.