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微分方程式を立てる

南海  簡単な場合に,条件を満たす微分方程式を立て,それを解くことが要求されうる.

曲線群をひとつの微分方程式で表すことが出来る. 例えば$y=x+b$という形に書ける直線であることは,

\begin{displaymath}
\dfrac{dy}{dx}=1
\end{displaymath}

と表せる.また任意定数$a$を用いて$y^2=4ax$と表される放物線群は, 両辺を$x$で微分し

\begin{displaymath}
2y\dfrac{dy}{dx}=4a
\end{displaymath}

これから$a$を消去して整理すると

\begin{displaymath}
\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{y}{2x}
\end{displaymath}

と書きあらわすことが出来る.

例 1.3   $p$を任意の定数とし,放物線

\begin{displaymath}
D_p:y^2=4px
\end{displaymath}

を考える.
  1. すべての$p$に対する$D_p$の方程式が満たす微分方程式を求めよ.
  2. すべての$p$に対する$D_p$と直交し,かつ点$(1,\ 0)$を通る曲線を求めよ.

解答

$p$を任意の定数とし,放物線

\begin{displaymath}
D_p:y^2=4px
\end{displaymath}

を考える.
  1. $D_p$の方程式の両辺を$x$で微分する.

    \begin{displaymath}
2y\dfrac{dy}{dx}=4p
\end{displaymath}

    これから$p$を消去して

    \begin{displaymath}
\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{y}{2x}
\end{displaymath}

    これが,すべての$p$に対し$D_p$の方程式が満たす微分方程式である.
  2. すべての$p$に対する$D_p$と直交する曲線の方程式は

    \begin{displaymath}
\dfrac{dy}{dx}=-\dfrac{2x}{y}
\end{displaymath}

    を満たさなければならない.これから

    \begin{displaymath}
ydy=-2xdx
\end{displaymath}


    \begin{displaymath}
\int y\,dy=-2\int x\,dx
\end{displaymath}

    より

    \begin{displaymath}
\dfrac{1}{2}y^2=-x^2+C
\end{displaymath}

    $(1,\ 0)$を通るので$C=1$.

    ゆえに曲線の方程式は

    \begin{displaymath}
2x^2+y^2=2
\end{displaymath}

演習 3   解答 3 $k$を0でない任意の定数とするとき,方程式

\begin{displaymath}
x^2-y^2=k
\end{displaymath}

で表される曲線のすべてと直交する曲線の方程式を求めよ.

南海  また,量の相互関係を調べるときには, 現象のすべての量(変数)を確認し,それらの間の相互関係を書き出せばよい.

例 1.4   長さの単位を$m$とする. $xyz$空間で,$xz$平面上の放物線$z=x^2,\ y=0$$z$軸の周りに回転させた立体に, 毎秒$3m^3/t$で水を入れる.水面の高さが$6m$のときの水面の上昇速度を求めよ.

解答

ここに表れる量は体積$V$,水面の高さ$h$,そして時間$t$である. それらの相互関係は

\begin{displaymath}
\dfrac{dV}{dt}=3,\ \int_0^h \pi x^2 \,dz=\int_0^h \pi z \,dz=V
\end{displaymath}

第2式から

\begin{displaymath}
\dfrac{dV}{dh}=\pi h\quad \cdots\maru{1}
\end{displaymath}

第1式から

\begin{displaymath}
\dfrac{dV}{dt}=\dfrac{dV}{dh}\cdot\dfrac{dh}{dt}=3
\end{displaymath}

ここに$\maru{1}$を代入して

\begin{displaymath}
\pi h \cdot\dfrac{dh}{dt}=3
\end{displaymath}

したがって$h=6$のとき水面の上昇速度 $\dfrac{dh}{dt}$

\begin{displaymath}
\dfrac{dh}{dt}=\dfrac{1}{2\pi} \ (m/t)
\end{displaymath}

である.


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