2018年入試問題研究に戻る大阪市大後期5番解答
(1) 整数$m$が奇数のとき,$m=2l+1$とおくと,$m^2=4(l^2+l)+1$ より $m^2\equiv 1 (\bmod \ 4)$ であり, $m$が偶数のときは,明らかに $m^2\equiv 0 (\bmod \ 4)$ である. $a=m^2+n^2$ とする.このことから, \[ a\equiv 1+1,\ 1+0,\ 0+0 (\bmod \ 4) \] のいずれかである.
(2) $a=m^2+n^2$,$b=k^2+l^2$ とする. \[ ab=(m^2+n^2)(k^2+l^2)=(mk-nl)^2+(ml+nk)^2\in S \] である.
(3) (1)から,4で割ったときの余りが,0,1,2であるものを順に調べる. $2018\equiv 2\quad (\bmod \ 4)$ である. \[ 2020=5\cdot 404=(2^2+1^2)(20^2+2^2) =(40-2)^2+(4+20)^2 \] より,2018より大きく,$S$ に属する最小の自然数は 2020 である.
追加:2017は,4で割って1余る素数であるから,平方数の和で表される.
実際, \begin{eqnarray*} 2017&=&1+4\cdot 504=1+4(20+484)\\ &=&91+4\cdot 4\cdot 11^2=9^2+44^2 \end{eqnarray*} よって,2018より小さく,$S$ に属する最大の自然数は 2017 である.※ $p \equiv 1\quad (\bmod \ 4)$ となる素数は,平方数の和で表される.
その存在は高校範囲で示せる.2002年 慶応医の問題にある.
一般的な存在証明は,『数論初歩』の「 ガウス素数」の定理47にある.