であるような2次行列の全体を と書こう. が のとき, と書こう.
判別式のに対する不変性の確認は,で考えても
で考えても同じことだった.
ここはもういちど最初の変換に立ちかえって考えよう.
この対応で, が に対応しているとし, とする. をで変換し,続いてそれをで変換して得られる 係数はどのようになるか.
耕介 まずを で定めます.
これをで変換すると なので
南海 不変性を確認するときはどちらでもよいのだが, 順序を保とうとすると注意しなければならない.
耕介
これに対して係数の変換は
南海
このようにして定まる写像
の判別式は係数
の整式であった.
つまり
耕介 なるほど.
南海 これはのへの表現を通した判別式への作用なのだが, 要するにの像であるの部分群が 個の文字 に作用し, その変換で判別式を変換すると,判別式が不変になった. そこで,次のように不変式を定義しよう. ただしここでも積が保たれるように,作用させ方を工夫しておく.
一般に変数の多項式
逆行列をもつ次行列の集合を考え,その部分群をとる. の要素に対してこれを右からかけた は各要素が の1次結合でできたベクトルだ.
の各成分をもとの に代入して得られる 多項式 を と書こう.
まずを作用させ
を作り,
この多項式にを作用させる.
すると
作用のさせ方はいろんな方式があるのだが, 不変であるということに関しては,いずれでも変わらない. だから不変性を考えるかぎり混乱は起こらない.