南海 さらに判別式と終結式の関係を明示的に書くには 行列式による終結式と判別式の表示が必要だ. 一般の次行列式の理解が必要だが,これは 『線型代数の考え方』を見てほしい.
さて行列式を用いると終結式を係数を用いて具体的に書くことができる.
証明
,が
あるとあるに共通の不定元を代入する. すると
耕介
係数は根とやで書けているので
行列式,
そのうちの あるとあるに共通の不定元を代入すると, この行列式が0になるということですね.
南海 そういうことだ.そしてこれが任意のとについていえる.したがってこの行列式は, すべての で割りきれる.
各 と はそれぞれ とで割りきれる(根とやとの積になっている). よっては で割りきれる. したがってはで割りきれる.
一方行列を展開すると,その項は
それが0でないとき,その項の根から見た次数は
これは
には という項がある. 一方,の対応する項は である.よってとなり,定理の等式が示された. □
耕介
例(1.2)をこの方法で求めてみます.
南海 判別式と終結式の間に定理3の関係があった.
これをもとに,判別式を終結式の行列表現から求めることができる. 例(1.1)を行列式でやってみてほしい.
耕介
不変式の計算は大変です.
南海 ところがフリーソフトのRisa/Asir などを使うと, 終結式や因数分解がすぐに出来る.
前に掲示板で
から,を求めようとしましたが, 解けませんでしたという質問があった. 次のように出来る.
最初の[0]で終結式を用いてを消去している. 次にを定義し,最後にそれを因数分解している.
耕介 すごいですね.どこで手に入りますか.
南海 例えば,『Risa/Asir (神戸版) ダウンロードページ』などいくつかある.