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解答

 

解答 2.2       問題2.1

1.

  1. $ax^2+2hxy+by^2+2lx+2my+c=0$ の両辺を $x$ で微分すると

    \begin{displaymath}
2ax+2hy+2hx\dfrac{dy}{dx}+2by\dfrac{dy}{dx}+2l+2m\dfrac{dy}{dx}=0
\end{displaymath}


    \begin{displaymath}
∴\quad (hx+by+m)\dfrac{dy}{dx}=-(ax+hy+l)
\end{displaymath}

    したがって, 点 $(x_0,\ y_0)$ における接線の方程式は

    \begin{eqnarray*}
&&(hx_0+by_0+m)(y-y_0)=-(ax_0+hy_0+l)(x-x_0)\\
&&\qquad\qquad\qquad(hx_0+by_0+m=0\ のときも成立)
\end{eqnarray*}

    ここで, $ax_0^2+2hx_0y_0+by_0^2+2lx_0+2my_0+c=0$ より

    \begin{displaymath}
(ax_0+hy_0+l)x+(hx_0+by_0+m)y+lx_0+my_0+c=0
\end{displaymath}

    よって

    \begin{displaymath}
L(\mathrm{X},\ \mathrm{X_0})=ax_0x+h(y_0x+x_0y)+by_0y+l(x+x_0)+m(y+y_0)+c
\end{displaymath}

    そして, このとき

    \begin{eqnarray*}
L(\mathrm{X_0},\ \mathrm{X})&=&axx_0+h(yx_0+xy_0)+byy_0+l(x_0+x)+m(y_0+y)+c \\
&=&L(\mathrm{X},\ \mathrm{X_0})
\end{eqnarray*}

  2. $L(\mathrm{X},\ \mathrm{X}_0)=0$ $L(\mathrm{X},\ \mathrm{X}_1)$ の交点をPとすると(図1),

    \begin{displaymath}
L(\mathrm{P},\ \mathrm{X}_0)=0,\quad L(\mathrm{P},\ \mathrm{X}_1)=0
\end{displaymath}

    より, $L(\mathrm{P},\ \mathrm{X})=0$ は直線 $\mathrm{X}_0\mathrm{X}_1)$ の方程式を表す.

    すなわち,

    \begin{displaymath}
l\ :\ L(\mathrm{X},\ \mathrm{P})=0,\quad L(\mathrm{P},\ \mathrm{X})=0
\end{displaymath}


  1. 直線 $l$ 上の点 Q より2本の接線
    \begin{displaymath}
L(\mathrm{X_2},\ \mathrm{X})=0,\quad L(\mathrm{X_3},\ \mathrm{X})=0
\end{displaymath}

    を引く(図2). このとき, 直線 $m\ :\ \mathrm{X_2X_3}$ 上に点 P があることを示す.

    Qが $L(\mathrm{P},\ \mathrm{X})=0$ 上にあるので

    \begin{displaymath}
L(\mathrm{P},\ \mathrm{Q})=0
\end{displaymath}

    一方, $m$ の方程式は(2)より, $L(\mathrm{Q},\ \mathrm{X})=0$ と書ける.すると, $L(\mathrm{P},\ \mathrm{Q})=0$ は P が直線 $L(\mathrm{Q},\ \mathrm{X})=0$ 上にあることを示している.

 

2.

  1. 2直線 $F(\mathrm{X})=0$, $G(\mathrm{X})=0$ の交点の座標を $\mathrm{P}(p,\ q)$ とおく. このとき

    \begin{displaymath}
F(\mathrm{P})=0, \quad G(\mathrm{P})=0
\end{displaymath}

    であるから,

    \begin{displaymath}
G(\mathrm{X_0})F(\mathrm{P})-F(\mathrm{X_0})G(\mathrm{P})=0
\end{displaymath}

    よって,この直線は点 $\mathrm{P}$ を通る.また

    \begin{displaymath}
G(\mathrm{X_0})F(\mathrm{X_0})-F(\mathrm{X_0})G(\mathrm{X_0})=0
\end{displaymath}

    であるから, この直線は $\mathrm{X_0}$ を通る.

    すなわち, 与えられた方程式はこの2点を通る一次式であるから, この直線の方程式に他ならない.

  2. $\mathrm{A}(\alpha_1,\ \alpha_2)$, $\mathrm{B}(\beta_1,\ \beta_2)$, $\mathrm{C}(\gamma_1,\ \gamma_2)$ とすると, $L_\mathrm{A}$, $L_\mathrm{B}$, $L_\mathrm{C}$ の方程式は

    \begin{eqnarray*}
&&L_\mathrm{A}:L(\mathrm{X},\ \mathrm{A})=0\\
&&L_\mathrm{B...
...\ \mathrm{B})=0\\
&&L_\mathrm{C}:L(\mathrm{X},\ \mathrm{C})=0
\end{eqnarray*}

    よって, $\mathrm{P_{AB}C}$, $\mathrm{P_{BC}A}$, $\mathrm{P_{CA}B}$ の方程式は

    \begin{eqnarray*}
&&\mathrm{P_{AB}C}:L(\mathrm{C},\ \mathrm{B})L(\mathrm{X},\ \...
...thrm{B},\ \mathrm{C})L(\mathrm{X},\ \mathrm{A})=0\cdots\maru{3}
\end{eqnarray*}

    すると, 問1(1)の結果より

    \begin{eqnarray*}
&&L(\mathrm{A},\ \mathrm{B})=L(\mathrm{B},\ \mathrm{A})\\
&...
...B})\\
&&L(\mathrm{C},\ \mathrm{A})=L(\mathrm{A},\ \mathrm{C})
\end{eqnarray*}

    だから, $\maru{1}$$\maru{2}$の辺々を加えて得られる式が $-\maru{3}$に 他ならないことがわかる. したがって, $\mathrm{P_{AB}C}$ $\mathrm{P_{BC}A}$ の 交点を $(p,\ q)$ とおけば, $(p,\ q)$$\maru{1}$$\maru{2}$両方の方程式を 満足するから, $-(\maru{1}+\maru{2})$, すなわち $\maru{3}$も満足する.

    つまり, 交点は $\mathrm{P_{CA}B}$ 上にもあるので, これら3つの直線は1点で交わる.

  3. AB と $L_\mathrm{C}$ の交点を M とする. このとき, 問1(2)より A, B は $L(\mathrm{P_{AB}},\ \mathrm{X})=0$ 上にある. すると, 方程式 $L(\mathrm{M},\ \mathrm{X})=0$ で表される直線は, C と, M からのもう1つの接点 D に対して, 直線 CD を表す. ところが, 問1(3)より $\mathrm{P_{AB}}$ は CD 上にある. よって, $L(\mathrm{M},\ \mathrm{X})=0$ は直線 $\mathrm{P_{AB}C}$, すなわち上の $\maru{1}$と一致する.

    同様に, BC と $L_\mathrm{A}$ の交点 N に対して, $L(\mathrm{N},\ \mathrm{X})=0$ は上の $\maru{2}$と一致し, CA と $L_\mathrm{B}$ の交点 K に対し, $L(\mathrm{K},\ \mathrm{X})=0$ は上の $\maru{3}$と一致する. そして, これら3つの直線はすべて P を通るので

    \begin{displaymath}
L(\mathrm{M},\ \mathrm{P})=0,\quad L(\mathrm{N},\ \mathrm{P})=0,\quad
L(\mathrm{K},\ \mathrm{P})=0
\end{displaymath}

    したがって, 3つの交点は1つの直線 $L(\mathrm{P},\ \mathrm{X})=0$ 上にある.

解答 2.3       問題2.2

1.ベクトルの計算で直ちにわかる関係式.

図のように

\begin{displaymath}
\overrightarrow{\mathrm{HA}}=\overrightarrow{p},\
\overrigh...
...ghtarrow{q},\
\overrightarrow{\mathrm{HC}}=\overrightarrow{r}
\end{displaymath}
とおく.$\mathrm{H}$が垂心であるから,

\begin{displaymath}
\vec{p}\cdot(\vec{q}-\vec{r})=0
\end{displaymath}


\begin{displaymath}
\vec{p}\cdot\vec{q}=\vec{q}\cdot\vec{r}=\vec{r}\cdot\vec{p}
\end{displaymath}

が成り立つ.ここで, $\vert\overrightarrow{\mathrm{HD}}\vert=t_0$とおくと,

\begin{eqnarray*}
\vec{p}\cdot\vec{q}&=&\overrightarrow{HA}\cdot\overrightarrow...
...&\overrightarrow{HA}\cdot\overrightarrow{HD}\\
&=&-p \cdot t_0
\end{eqnarray*}

が成り立つ.$p\cdot t_0=s$とおく.

$\bigtriangleup \mathrm{ABC}$の面積$S$は次のように表される.

\begin{eqnarray*}
S&=&\dfrac{1}{2}\sqrt{\vert\overrightarrow{AB}\vert^2\cdot\ve...
... &=&\dfrac{1}{2}\sqrt{p^2q^2+q^2r^2+r^2p^2+2s(p^2+q^2+r^2)+3s^2}
\end{eqnarray*}

2.垂心となるときを媒介変数に関する極値としてとらえる.

この$s$を決定するために,次の設定をする.

$\mathrm{OA}=p,\mathrm{OB}=q,\mathrm{OC}=r$の長さは与えられたものに固定し, $\mathrm{O,\ B,\ C}$ $\mathrm{O}$から$\mathrm{BC}$への垂線の足を$\mathrm{D}$とし,$\mathrm{OD}=t$とおく. また$\mathrm{A}$ $\mathrm{A,\ O,\ D}$が直線になるようにとる.

$\bigtriangleup \mathrm{ABC}$の面積を媒介変数$t$の関数$S(t)$と考える. このとき次のことが成り立つ.

$S(t)$が最大のとき,$\mathrm{O}$ $\bigtriangleup \mathrm{ABC}$の垂心である.

もし垂心でなければ$\mathrm{BO}$$\mathrm{AC}$と垂直ではない.

$\mathrm{B'O}$$\mathrm{AC}$に垂直で $\mathrm{B'O}=\mathrm{BO}$にとる.

\begin{displaymath}
\bigtriangleup \mathrm{ABC}<\bigtriangleup \mathrm{AB'C}
\end{displaymath}

である.$\mathrm{OD}$はもはや$\mathrm{B'C}$とは垂直でないので同様の操作で, $\mathrm{A'}$を定める.すると,

\begin{displaymath}
\bigtriangleup \mathrm{ABC}<\bigtriangleup \mathrm{AB'C}<\bigtriangleup \mathrm{A'B'C}
\end{displaymath}

ところがこのとき,はじめの設定と同じ条件で $\bigtriangleup \mathrm{ABC}$より面積の大きい三角形が 得られているので, $\bigtriangleup \mathrm{ABC}$が面積最大の仮定と矛盾する. よって,面積最大のとき,$\mathrm{O}$は垂心でなければならず, $\mathrm{O}=\mathrm{H}$であることがわかる.

さて

\begin{displaymath}
S(t)=\dfrac{1}{2}(t+p)\{\ \sqrt{q^2-t^2}+\sqrt{r^2-t^2}\ \}
\end{displaymath}

であるから

\begin{displaymath}
S'(t)=\dfrac{1}2{}\{\ \sqrt{q^2-t^2}+\sqrt{r^2-t^2}
-(\ \dfrac{1}{\sqrt{q^2-t^2}}+\dfrac{1}{\sqrt{r^2-t^2}})t(t+p)\ \}
\end{displaymath}

上記の考察より,$S'(t_0)=0$であるから,代入して整理すると,

\begin{displaymath}
\sqrt{q^2-t_0^2}\sqrt{r^2-t_0^2}=t_0(t_0+p)
\end{displaymath}

両辺2乗してまとめると,

\begin{displaymath}
2pt_0^3+(p^2+q^2+r^2)t_0^2-q^2r^2=0
\end{displaymath}

を得る.ここで, $t_0=\dfrac{s}{p}$を代入すると,

\begin{displaymath}
2s^3+(p^2+q^2+r^2)s^2-p^2q^2r^2=0
\end{displaymath}

を得る.

この3次方程式は,3解の和が負で積が正であるから,正の実数解がただ一つ定まる.

3.途中のまとめ.

最初の問題の解は3次方程式

\begin{displaymath}
2s^3+(p^2+q^2+r^2)s^2-p^2q^2r^2=0
\end{displaymath}

の正の実数解$s_0$を用いて,

\begin{displaymath}
S=\dfrac{1}{2}\sqrt{p^2q^2+q^2r^2+r^2p^2+2s_0(p^2+q^2+r^2)+3s_0^2}
\end{displaymath}

と表される.

実数解$s_0$を求めるために 3次方程式を解かねばならない. この解法だが,これは『数学対話』「ある3次式の因数分解と3次方程式」を参照してもらいたい. 具体的に書くことはここでは省略する.

解答 2.4       問題2.3

面積最大であるのに$\mathrm{O}$が垂心でないとする.対面と垂直でない線分を$\mathrm{OB}$とする.

$\mathrm{B'}$ $\mathrm{OB'}\bot \bigtriangleup \mathrm{ACD}$(もちろん $\mathrm{OB'}=q$) となるようにとる.すると 

\begin{displaymath}
四面体\mathrm{ABCD}<四面体\mathrm{AB'CD}
\end{displaymath}

$\mathrm{E'}$$\mathrm{O}$Oから平面$\mathrm{B'CD}$への垂線の足とし、 $\mathrm{C'}$および$\mathrm{D'}$ $\bigtriangleup \mathrm{B'C'D'}$が面積最大になるよう に(すなわち$\mathrm{E'}$ $\bigtriangleup \mathrm{B'C'D'}$の垂心になるように)とる. そして$\mathrm{E'O}$の延長上に$\mathrm{A'}$A'をとる.このとき

\begin{displaymath}
四面体\mathrm{AB'CD}<四面体\mathrm{A'B'C'D'}
\end{displaymath}

したがって四面体$\mathrm{ABCD}$の体積が最大であることと矛盾した.

解答 2.5       問題2.4

図のように頂点と辺をとる.

$ \angle B=\alpha,\ \angle D=\beta$ とおく.
面積は

\begin{displaymath}
S=\dfrac{1}{2}(ab \sin \alpha +cd \sin \beta) \quad \cdots \maru{1}
\end{displaymath}

一方余弦定理から

\begin{displaymath}
a^2+b^2-2ab \cos \alpha = \mathrm{AC}^2=c^2+d^2-2cd \cos \beta \quad \cdots \maru{2}
\end{displaymath}

2の条件の下で1の最大値を求めればよい.
1から

\begin{displaymath}
ab \sin \alpha+cd \sin \beta=2S
\end{displaymath}

2から

\begin{displaymath}
ab \cos \alpha-cd \cos \beta=\dfrac{1}{2}(a^2+b^2-c^2-d^2)
\end{displaymath}

簡単のためにこの右辺を $k$ とおく.
この2式の両辺を2乗して加えることにより

\begin{displaymath}
a^2b^2+c^2d^2-2abcd \cos (\alpha+\beta)=4S^2+k^2
\end{displaymath}

を得る.
ここで $\alpha$$\beta$

\begin{displaymath}
\alpha+\beta=\pi
\end{displaymath}

にとれることを示す. 4角形が成立しているので,

\begin{displaymath}
\begin{array}{l}
a+b+c>d\\
b+c+d>a\\
c+d+a>b\\
d+a+b>c
\end{array}\end{displaymath}


\begin{displaymath}
a+b \ge c+d,\ a+d \ge b+c
\end{displaymath}

と仮定して一般性を失わない.よって

\begin{displaymath}
\begin{array}{l}
a+b\ge c+d\\
b+(c+d)>a\\
(c+d)+a>b\\
\end{array}\end{displaymath}

これから,図2のような三角形が存在する. この場合 $\alpha+\beta>\pi$
同様に

\begin{displaymath}
\begin{array}{l}
a+d\ge b+c\\
a+(b+c)>d\\
(b+c)+d>a\\
\end{array}\end{displaymath}

この場合は,図3のような三角形が存在する. この場合 $\alpha+\beta<\pi$

したがって, 図2から図3へ連続的に変化させていくと,連続関数の中間値の定理から

\begin{displaymath}
\alpha+\beta=\pi
\end{displaymath}

となるときがある. ゆえに $\alpha+\beta=\pi$のとき

\begin{displaymath}
4S^2+k^2=(ab+cd)^2
\end{displaymath}

となる $S$ が面積最大である.

\begin{displaymath}
S=\dfrac{\sqrt{(-a+b+c+d)(a-b+c+d)(a+b-c+d)(a+b+c-d)}}{4}
\end{displaymath}

次に, $ \alpha+\beta=\pi $ とする. $ \bigtriangleup \mathrm{ABC} $ の外接円をとり,その円周上に点 $ \mathrm{E} $ を直線 $ \mathrm{BC} $ に関して逆の側にとる. 2点 $ \mathrm{B},\mathrm{C} $ に関する点 $ \mathrm{A} $ と点 $ \mathrm{E} $ の中心角の和が $ 2\pi $ なので, $ \angle \mathrm{E}=\pi-\alpha=\beta $ である. よって, $ \angle \mathrm{BEC}=\angle \mathrm{BDC} $ となり, 円周角の定理の逆より,点 $ \mathrm{D} $ はこの円周上にある.

解答 2.6       問題2.5

  1. 共有点がないので

    \begin{displaymath}
ax^2=-(x-2)^2+1
\end{displaymath}

    は実数解がない.これを整理すると, $(a+1)x^2-4x+3=0$

    \begin{displaymath}
∴ \quad D/4=4-3(a+1)<0 \quad つまり
\quad
a>\dfrac{1}{3}
\end{displaymath}

    ここで $\mathrm{P},\ \mathrm{Q}$ $\mathrm{P}(p,\ ap^2),\ \mathrm{Q}(q,\ 0(q-2)^2+1)$ とおく. $\mathrm{P},\ \mathrm{Q}$ での接線が平行なので

    \begin{displaymath}
2ap=-2(q-2)
\end{displaymath}


    \begin{displaymath}
∴ \quad q=-ap+2
\end{displaymath}

    直線 $\mathrm{PQ}$ の式は

    \begin{displaymath}
(q-p)(y-ap^2)=\{-(q-2)^2+1-ap^2\}(x-p) \quad \cdots \maru{1}
\end{displaymath}

    これより $q=-ap+2$ を代入して1を整理すると,

    \begin{displaymath}
\{a(a+1)x-2a\}p^2-\{(a+1)y-1\}p+2y-x=0 \quad \cdots \maru{2}
\end{displaymath}

    1が $p$ によらず定点を通るためには2が $p$ についての 恒等式とならねばならない.

    \begin{displaymath}
\left\{
\begin{array}{l}
a(a+1)x-2a=0\\
(a+1)y-1=0\\
2y-x=0
\end{array} \right.
\end{displaymath}

    $\left(\dfrac{2}{a+1},\ \dfrac{1}{a+1} \right)$はこの3式をすべて満たす.つまり

    \begin{displaymath}
定点: \quad \left( \dfrac{2}{a+1},\ \dfrac{1}{a+1} \right) を通る,
\end{displaymath}

  2. 二つの頂点は $(0,\ 0)$$(2,\ 1)$ であり,これに対して $\left(\dfrac{2}{a+1},\ \dfrac{1}{a+1} \right)$ はこの2点の$1:a$の内分点である.

    $C_1$ 上の点 $(p,\ ap^2)$$xy$ 平面上の点 $(X,\ Y)$$1:a$の内分点が $\left(\dfrac{2}{a+1},\ \dfrac{1}{a+1} \right)$ であるとする.したがって

    \begin{displaymath}
\left(\dfrac{ap}{a+1}+\dfrac{X}{a+1},\ \dfrac{a^2p^2}{a+1}+...
...{a+1}\right)
=\left( \dfrac{2}{a+1},\ \dfrac{1}{a+1} \right)
\end{displaymath}


    \begin{displaymath}
∴\quad X=2-ap,\ Y=1-a^2p^2
\end{displaymath}

    このとき,この $X,\ Y$ について

    \begin{eqnarray*}
&&-(X-2)^2+1\\
&=&1-a^2p^2\\
&=&Y
\end{eqnarray*}

    つまり $\left(X,\ Y \right)$がちょうど $C_2$ 上にある.よって

    $C_1$$C_2$ は相似の中心を $\left(\dfrac{2}{a+1},\ \dfrac{1}{a+1} \right)$ とし, 相似比 $1:a$ の相似である.

解答 2.7       問題2.6

放物線を座標平面におき,

\begin{displaymath}
y=ax^2
\end{displaymath}

としてよい. このとき準線の方程式は

\begin{displaymath}
y+\dfrac{1}{4a}=0
\end{displaymath}

である.
放物線上の3点を

\begin{displaymath}
\mathrm{A}(\alpha,\ \alpha^2),\ \mathrm{B}(\beta,\ \beta^2),\ \mathrm{C}(\gamma,\ \gamma2)
\end{displaymath}

とおく.3本の接線は

\begin{eqnarray*}
y=2\alpha x-\alpha^2\\
y=2\beta x-\beta^2\\
y=2\gamma x-\gamma^2
\end{eqnarray*}

それぞれの交点は

\begin{displaymath}
\mathrm{P} \left(\dfrac{\alpha+\beta}{2},\ \alpha \beta \rig...
...athrm{R}\left(\dfrac{\gamma+\alpha}{2},\ \gamma \alpha\right)
\end{displaymath}

である.
  $\bigtriangleup \mathrm{PQR}$ の垂線は,各交点を通り他の接線と直交する直線3本の交点である.

\begin{eqnarray*}
2a\alpha y=-x+\dfrac{\beta+\gamma}{2}+2a^2\alpha \beta \gamma\...
...2a\gamma y=-x+\dfrac{\alpha+\beta}{2}+2a^2\alpha \beta \gamma\\
\end{eqnarray*}

これらの交点を求めると,

\begin{displaymath}
x=\dfrac{\alpha+\beta+\gamma}{2}+2a^2\alpha \beta \gamma,\ y=-\dfrac{1}{4a}
\end{displaymath}

つまり垂心の軌跡は準線である.

解答 2.8       問題2.7

  1. $\arg \dfrac{\alpha_1}{\alpha_2}=\theta$ とおく.$\mathrm{O}$$\alpha_1$$\alpha_2$ が反時計回りにあれば角$\theta$は正であり, 時計回りのあれば角 $\theta$ は負である.

    \begin{displaymath}
\sin \theta
=\mathrm{Im}\left(
\dfrac{\dfrac{\alpha_1}{\a...
...dfrac{\vert\alpha_1\vert\alpha_2}{\vert\alpha_2\vert\alpha_1}
\end{displaymath}

\begin{eqnarray*}
∴ \quad S&=&\dfrac{1}{2}\vert\alpha_1\vert\vert\alpha_2\vert...
...&=&\dfrac{1}{2}\vert\mathrm{Im}\overline{\alpha_1}\alpha_2\vert
\end{eqnarray*}

解答 2.9       問題2.8

  1. $D$ を座標平面におき,

    \begin{displaymath}
\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 \quad (a>b) \quad \cdots\maru{1}
\end{displaymath}

    としてよい.

    平行な2接線の方程式を

    \begin{displaymath}
x \sin \theta-y \cos \theta+k=0 \quad \cdots \maru{2}
\end{displaymath}

    とおく.これが楕円に接する.

    $\cos \theta \ne 0$ のとき$\maru{1}$より

    \begin{displaymath}
\dfrac{x^2\cos^2 \theta}{a^2}+\dfrac{y^2\cos^2 \theta}{b^2}=\cos^2 \theta
\end{displaymath}

    ここに$\maru{2}$より $y \cos \theta=x \sin \theta+k$ を代入し整理する.

    \begin{displaymath}
\left(\dfrac{\cos^2\theta}{a^2}+\dfrac{\sin^2 \theta}{b^2}\...
...2 \sin \theta \cdot k}{b^2}x+\dfrac{k^2}{b^2}-\cos^2 \theta=0
\end{displaymath}

    これが重解を持つので

    \begin{eqnarray*}
D/4&=&\dfrac{\sin ^2 \theta}{b^4}k^2
-\left( \dfrac{\cos^2\t...
...^2\theta}{a^2}+\dfrac{\sin ^2 \theta}{b^2} \right)\cos^2 \theta
\end{eqnarray*}

    $\cos \theta=0$ のとき接するのは明らかに $k=\pm a$ のときである.
    したがって

    \begin{displaymath}
\left\{
\begin{array}{ll}
\cos ^2 \theta \ne 0のとき&k^2=...
... ^2\theta \quad これは上の式に適する\\
\end{array} \right.
\end{displaymath}

    よって2本の接線は

    \begin{displaymath}
x \sin \theta - y \cos \theta \pm\sqrt{b^2\cos ^2 \theta+a^2 \sin ^2\theta}=0
\end{displaymath}

    題意を満たす円の中心は直線 $x \sin \theta-y \cos \theta=0$ 上になければならない.

    原点からこれらの接線への距離は $\sqrt{b^2\cos ^2 \theta+a^2 \sin ^2\theta}$
     

  2. 楕円Dの中心Oと円Cの中心Qの距離は, $\mathrm{OQ}^2=(a+b)^2$ より角 $\theta$ に関係なく一定の値をとる.

参考 楕円から定まる原点を中心とする円には上で求めたものの他に次のようなものがある.
1.焦点から接線への垂線の足の軌跡.$半径=a$
2.直交2接線の交点の軌跡.準円という. $半径^2=a^2+b^2$

解答 2.10       問題2.9

正方形を ABCD とする.次の順に作図する.

AとC,BとD を結ぶ.交点をOとする.

CとDを結び辺をのばす.CD 上で正方形の外部の任意の点P<sub>0</sub>をとる.

$\mathrm{P}_0$とOを結び,ADとの交点を点を$\mathrm{P}_1$とする. 点$\mathrm{P}_1$とCを結び,BDとの交点を点を$\mathrm{P}_2$とする. 点$\mathrm{P}_0$$\mathrm{P}_2$を結び,ACとの交点を点を$\mathrm{P}_3$とする. 点Dと$\mathrm{P}_3$を結び,BCとの交点を点をMとする.

このとき M は辺 BCの中点である.

なぜか. O を原点にし,A$(-1,1)$,B$(-1,-1)$,C$(1,1)$,D$(1,-1)$にとる.

$\mathrm{P}_0$とO を結ぶ直線を $y=mx$ とおく. 順次座標を求める.

(直線の式を求める計算は省略)

$\mathrm{P}_0(1,\ m)$ $\mathrm{P}_0\left(\dfrac{1}{m},\ 1\right)$

直線 $\mathrm{P}_1D:y=\dfrac{2m}{1-m}(x-1)-1$ より $\mathrm{P}_2\left(\dfrac{m+1}{3m-1},\ \dfrac{m+1}{3m-1}\right)$

直線 $\mathrm{P}_0\mathrm{P}_2:y=\dfrac{3m+1}{2}(x-1)+m$ より $\mathrm{P}_3\left(\dfrac{1}{3},\ -\dfrac{1}{3}\right)$

直線 $\mathrm{CP}_3: y=2x-1$ よりM$(0,-1)$

注意 この問題は正方形でなくても,直線が直線になり, 中点が中点になるような変換で変形された図形で成り立つ.例えば平行四辺形.

解答 2.11       問題2.10

  1. $R,\ r,\ a$$0<a<R-r$ を満たすので,円 $C_2$ は円 $C_1$ の内部にある. $\mathrm{P}(-R,\ 0)$のとき,$\mathrm{S=P}$となるとき, $x$ 軸に関する対称性から 直線 $\mathrm{QR}$$y$ 軸に平行で $C_2$ に接している.

    $C_2$ の中心を $\mathrm{O}$$\mathrm{O}$ からPQへの垂線の足をH,QRと円 $C_2$ の接点をKとする.

    $\mathrm{K}(r+a,\ 0$ $\mathrm{O}(a,\ 0)$ である.

    ここで

    \begin{displaymath}
\mathrm{PK}:\mathrm{QK}=\mathrm{PH}:\mathrm{OH}
\end{displaymath}

    が成り立つ.

    $\mathrm{Q}$ の座標は $(r+a,\ \sqrt{R^2-(r+a)^2})$ である.

    また, $\mathrm{PO}=R+a$ であるから $\mathrm{PH}=\sqrt{(R+a)^2-r^2}$ となる.

    \begin{displaymath}
∴ \quad R+a+r:\sqrt{R^2-(r+a)^2}=\sqrt{(R+a)^2-r^2}:r
\end{displaymath}
    これから

    \begin{displaymath}
r(R+a+r)=\sqrt{R^2-(r+a)^2}\sqrt{(R+a)^2-r^2}=(R+a+r)\sqrt{(R-r)^2-a^2}
\end{displaymath}
     

    \begin{displaymath}
∴ \quad a^2=R^2-2rR
\end{displaymath}
    この関係式は

    \begin{displaymath}
\dfrac{1}{R+a}+\dfrac{1}{R-a}=\dfrac{1}{r}
\end{displaymath}

    ともかける.
  2. $\tan \dfrac{\theta}{2}=t$によって $\cos \theta=\dfrac{1-t^2}{1+t^2}$ $\sin \theta=\dfrac{2t}{1+t^2}$ と表される.

    ゆえに円 $C_1$ 上の点は $(-R,\ 0)$ を除いて $\left(\dfrac{R(1-t^2)}{1+t^2},\ \dfrac{2Rt}{1+t^2} \right)$ と表される.

    $\mathrm{P} \left(\dfrac{R(1-s^2)}{1+s^2},\ \dfrac{2Rs}{1+s^2} \right)$ $\mathrm{Q} \left(\dfrac{R(1-t^2)}{1+t^2},\ \dfrac{2Rt}{1+t^2} \right)$ のとき $\mathrm{PQ}$ の傾きは

    \begin{displaymath}
\dfrac{\dfrac{2Rt}{1+t^2}-\dfrac{2Rs}{1+s^2}}
{\dfrac{R(1-t^2)}{1+t^2}-\dfrac{R(1-s^2)}{1+s^2}}
=\dfrac{st-1}{s+t}
\end{displaymath}

    である.

    ゆえに直線 $\mathrm{PQ}$ の方程式は

    \begin{displaymath}
y=\dfrac{st-1}{s+t} \left(x- \dfrac{R(1-s^2)}{1+s^2}\right)+\dfrac{2Rs}{1+s^2}
=\dfrac{st-1}{s+t}x+R(st+1)
\end{displaymath}

    つまり

    \begin{displaymath}
(st-1)x-(s+t)y+R(st+1)=0
\end{displaymath}

    したがって直線 $\mathrm{PQ}$ が円 $C_2$ に接するための条件は

    \begin{displaymath}
\dfrac{\vert(st-1)a+R(st+1)\vert}{\sqrt{(st-1)^2+(s+t)^2}}=r
\end{displaymath}

    ゆえに求める $s,\ t$ の多項式は

    \begin{displaymath}
\{(st-1)a+R(st+1)\}^2=r^2\{(st-1)^2+(s+t)^2\} \quad \cdots\maru{1}
\end{displaymath}

  3. $\mathrm{P} \left(\dfrac{R(1-s^2)}{1+s^2},\ \dfrac{2Rs}{1+s^2} \right)$から 円 $C_2$ に2本の接線 $\mathrm{PQ}$$\mathrm{PR}$ を引く. $R,\ r,\ a$ の間に(1)で求めた関係式が成り立つとき,直線 $\mathrm{QR}$ が再び円 $C_2$ に接することを示せばよい.

    \begin{displaymath}
\mathrm{Q} \left(\dfrac{R(1-{t_1}^2)}{1+{t_1}^2},\ \dfrac{2...
...c{R(1-{t_2}^2)}{1+{t_2}^2},\ \dfrac{2Rt_2}{1+{t_2}^2} \right)
\end{displaymath}

    とする.このとき $t_1,\ t_2$ は1を $t$ の二次方程式としたときの二つの解である.

    1を $t$ で整理すると,

    \begin{displaymath}
\{(R+a)^2s^2-r^2(1+s^2)\}t^2+2(R^2-a^2)st+(R-a)^2-r^2(1+s^2)=0
\end{displaymath}

    となるので

    \begin{displaymath}
t_1+t_2=\dfrac{-2(R^2-a^2)s}{(R+a)^2s^2-r^2(1+s^2)}
\quad ...
...R-a)^2-r^2(1+s^2)}{(R+a)^2s^2-r^2(1+s^2)}\quad \cdots\maru{2}
\end{displaymath}

    $a^2=R^2-2rR$ のとき

    \begin{displaymath}
\{(t_1t_2-1)a+R(t_1t_2+1)\}^2=r^2\{(t_1t_2-1)^2+(t_1+t_2)^2\} \quad \cdots\maru{3}
\end{displaymath}

    となることを示す.3に2を代入する.

    \begin{eqnarray*}
&&r^2\{(t_1t_2-1)^2+(t_1+t_2)^2\}
=\dfrac{r^2\{(R+a)^2s^2+(R...
...quad \quad \times[\{(R-a)(R+a)^2-2Rr^2\}s^2+(R-a)^2(R+a)-2Rr^2]
\end{eqnarray*}

    となる. $2rR=R^2-a^2$ なので

    \begin{displaymath}
\{(R-a)(R+a)^2-2Rr^2\}s^2+(R-a)^2(R+a)-2Rr^2=2Rr(R+a-r)s^2+2Rr(R-a-r)
\end{displaymath}

    ゆえに

    \begin{eqnarray*}
&&r\{(R+a)^2s^2+(R-a)^2\}-\{2Rr(R+a-r)s^2+2Rr(R-a-r)\}\\
&=&r(a^2-R^2+2rR)s^2+r(a^2-R^2+2rR)=0
\end{eqnarray*}

    確かに3が成立し, 任意の点 $\mathrm{P}$ に対して$\mathrm{S=P}$となることをが示された.

解答 2.12       問題2.11

$\bigtriangleup \mathrm{ABC}$ $\bigtriangleup \mathrm{PQR}$の3辺をそれぞれ $a,\ b,\ c$$p,\ q,\ r$とする.三角形の成立条件から

\begin{displaymath}
\left\{
\begin{array}{l}
a+b>c\\
b+c>a\\
c+a>b
\end{a...
...begin{array}{l}
p+q>r\\
q+r>p\\
r+p>q
\end{array}\right.
\end{displaymath}

が成立している.

平行移動して点$\mathrm{A}$は平面$\alpha$上にあるとしてよい.そして 線分 $\mathrm{CC'},\ \mathrm{BB'}$の長さをそれぞれ$u,\ v$とする.

このとき $\bigtriangleup \mathrm{A'B'C'}$の各辺は

\begin{displaymath}
\sqrt{a^2-(u-v)^2},\ \sqrt{b^2-u^2},\ \sqrt{c^2-v^2}
\end{displaymath}

となる.

したがって $\bigtriangleup \mathrm{A'B'C'}$ $\bigtriangleup \mathrm{PQR}$が相似になることは

\begin{displaymath}
\dfrac{\sqrt{a^2-(u-v)^2}}{p}=
\dfrac{\sqrt{b^2-u^2}}{q}=
\dfrac{\sqrt{c^2-v^2}}{r}
\end{displaymath}

となることと同値である.各辺を平方してその式の値を$k$とおく.

つまり

\begin{displaymath}
\left\{
\begin{array}{l}
a^2-(u-v)^2=kp^2\quad \cdots\maru...
...ru{2}\\
c^2-v^2=kr^2\quad \cdots\maru{3}
\end{array}\right.
\end{displaymath}

である.

さて,$u$$v$の値を与えれば平面$\alpha$が定まる. したがって $\bigtriangleup \mathrm{A'B'C'}$ $\bigtriangleup \mathrm{PQR}$と相似になるような平面$\alpha$が存在することは, $\maru{1},\ \maru{2},\ \maru{3}$を満たす実数$u,\ v$と正数$k$が存在すること同値である.

$\maru{2}+\maru{3}-\maru{1}$より

\begin{displaymath}
2uv=k(p^2-q^2-r^2)-(a^2-b^2-c^2)\quad \cdots\maru{4}
\end{displaymath}
@+A+BはC+A+Bと同値である.

一方 $\maru{2},\ \maru{3}$より

\begin{displaymath}
b^2-kq^2=u^2,\ c^2-kr^2=v^2\quad \cdots\maru{5}
\end{displaymath}

である.$u$$v$が実数なので,

\begin{displaymath}
0<k\le \dfrac{b^2}{q^2},\ 0<k\le \dfrac{c^2}{r^2}\quad \cdots\maru{6}
\end{displaymath}

$\maru{4}$を平方し$\maru{5}$によって$u^2,\ v^2$を消去すると$k$の2次方程式.

\begin{displaymath}
\{k(p^2-q^2-r^2)-(a^2-b^2-c^2)\}^2-4(b^2-kq^2)(c^2-kr^2)=0\quad \cdots\maru{7}
\end{displaymath}

が得られる.

この左辺を$k$の2次式として$f(k)$とおく.

$\maru{7}$$\maru{6}$を満たす$k$が存在すれば,$\maru{5}$から正負を除いて$u$$v$が定まる. $\maru{4}$となるように$u$$v$の正負を定めれば,題意を満たす$u$$v$が得られる.

\begin{eqnarray*}
f(k)&=&\{k(p^2-q^2-r^2)-(a^2-b^2-c^2)\}^2-4(b^2-kq^2)(c^2-kr^2...
...\}k\\
&&\quad\quad\quad\quad\quad-(a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c)
\end{eqnarray*}

三角形の成立条件から

\begin{eqnarray*}
&&-(p+q+r)(-p+q+r)(p-q+r)(p+q-r)<0\\
&&-(a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c)<0
\end{eqnarray*}

である.

つまり$f(k)$は上に凸でかつ$f(0)<0$である.一方$f(k)$の定義式から

\begin{displaymath}
f\left(\dfrac{b^2}{q^2} \right)\ge 0,\
f\left(\dfrac{c^2}{r^2} \right)\ge 0
\end{displaymath}

である.したがって確かに$\maru{6}$を満たす$\maru{7}$の正の解$k$が存在する.

つまり平面$\alpha$で,$\alpha$への正射影 $\bigtriangleup \mathrm{A'B'C'}$ $\bigtriangleup \mathrm{PQR}$と相似になるものが存在することを示された.


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