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ζ(2l)を関・ベルヌーイ数で表す

2009.11.28

南海 関・ベルヌーイ数とベルヌーイ多項式の定義を与え必要最小限の基本性質を母関数を用いて証明する. さらにド・モアブルの定理からある代数方程式を導き,解の基本対称式と解のべき乗和を考察する. それらを結合し,初等的な方法で, ゼータ関数の正の偶数2lに対する関数値ζ(2l)を関・ベルヌーイ数で表す公式を導く.

ゼータ関数を高校生に伝えるための一つの難点は,関数論を用いることであった. そこにリーマンの飛躍があるのだが,一方で関数論を用いることなく高校数学範囲でゼータ関数に触れることができれば,教材としても用いることができる.

母関数(生成関数)については「生成関数の方法」を参照.また,ζ(2),ζ(4)を直接計算することについては「円周率を表す」を参照してほしい.そこでのゼータ関数値の計算の一般化が本稿である. また1990年の東工大入試問題の解答で,そこでの結果を用いて,ζ(2),ζ(4) ,ζ(6) 等を計算したのも参照してほしい.

ζ(2)の値を確定することは,17世紀から18世紀前半の大問題であった.スイスのバーゼルに住んでいたヤコブ・ベルヌーイが未解決のまま後世に残した問題であったから,「バーゼル問題」という.これについては「バーゼル問題とオイラー」のような数学史の論文がたいへん面白い.

大きくとらえて,何かできそうだという予感で一週間考えた.逆算して0にならないといけないところを3乗和まで具体的に計算して確認した.しかしそのからくりがなかなか分からずいろいろ一般化して考えた.最後にB2l+1(1/2)=0が浮かびあがって出てきたのにはまったく驚いた.『高校数学の方法』の「例で考える」「一般化して考える」などの実践だった.『高校数学の方法』を入試問題以外で自分で用いたのは初めてであった.そこで書いていることは,このようなときにも活きることを確認することができた.



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