書庫 next 次: 確率論の始まり

2015.7.31/2010.6.11

確率の基本

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近年,確率の苦手な人が増えた. 確率の問題を,正しいのか間違っているのかよくわからないままに解いているところがある. すべての事象の確率の和が1ということ以外には, 解答を検算する方法がなく,答えに確信が持てない人も多い. 確率は,高校数学の中では現実との接点をもつ数少ない分野で,問題文を読んで, 試行の意味を読み取る力が必要である.

高校の確率は,2015年の現在,数学Aと数学Bに分かれている. 数学Aの確率を考えるときも,数学Bの確率をふまえる方がわかりやすいのだが, 数学Bの方は入試範囲からは外れることが多く,学ぶ機会も少ない. そのため,双方の基本を理解してはじめて簡明に理解できることが,なしえない.

これは教科内容の割り振りの問題で,旧課程の時代から少しも改善されていない. 教育課程と教科書の責任も大きい. これではいつまでたっても「確率が苦手」を克服することができない.

確率論は数学の理論として明確である.理想化した試行のモデルにこの理論を適用する.そして,この理想化が適切であるかどうかは,統計学が判断する.

高校教科書は,これを踏まえたものでなければならない.しかし,実際には感覚的で直感的な記述に終始している.そのために,自分で考える高校生には,かえって曖昧でわかりにくいものとなっている.

だが,教科書の様々の不備を,自分の力で乗り越えることこそ, 高校生のほんとうの勉強だ. それで,その一助にと,学校での確率を少しは習ったことを前提に, 数学AとかBとかの壁を取り払い,確率論の骨格がつかめるように,ごく基本をまとめた.

なお,■〜■の部分は教科書範囲をやや越えるところであり, 最初は飛ばしてもよいが,順次理解してほしい.




Aozora
2015-08-02